なでしこジャパン(日本女子代表)は21日にAFC女子アジアカップの初戦、ミャンマー戦を迎える。昨年秋に就任した池田太監督にとって初めての公式戦。3連覇とW杯の出場権がこの重要な大会で、活躍が期待されるのがMF長野風花だ。昨年11月の欧州遠征で2試合ともに先発を果たしたチームのコンダクターに話を聞いた。

結果を出して内容面でもW杯につなげたい

画像: マイナビ仙台で主軸を担う長野。クラブでの好調が代表入りにつながった(写真提供◎マイナビ仙台レディース)

マイナビ仙台で主軸を担う長野。クラブでの好調が代表入りにつながった(写真提供◎マイナビ仙台レディース)

――なでしこジャパンの池田太監督とは、アンダー世代の代表時代から共に戦ってきました。どんな指導者でしょう。

長野 みなさんが思っているような、あのままの人です(笑)。本当に熱くて、サッカーが大好きで、何より選手思いの監督だと思います。U―20代表のとき、監督からは中盤の選手なので、ボランチとしてゲームコントロールすること、中盤の戦いに負けないこと、攻撃については(2ボランチの)どちらかがしっかり前に顔を出すとか基本的なことを言われていました。

――U-20ワールドカップでは世界一になりました(2018年)。その経験から得たものはあるでしょうか。

長野 U―20W杯は、相手も同年代でしたが、フランス代表やアメリカ代表との試合で体感したフィジカルの強さは、日本の試合では絶対に経験できないようなものでした。身体能力にしてもそうです。そこをどういう風に上回っていくのか。相手の強さを体感しながらそういうことを考えながら勝ち上がっていった大会になりました。当時もフィジカルは課題だとは思っていましたが、海外の選手とはそもそもサイズが違う。その上で、どうやったら日本がボールを持ちながらゴールに向かえるのかをとにかく考えましたね。

――今、なでしこジャパンで池田監督が目指すサッカーというのは、そうした海外勢に上回ることを想定していると感じます。

長野 そこでベースになるのはやっぱりハードワークです。そして奪ったらすぐに前を見て、ゴールを見る。

――現在、なでしこジャパンではボールを奪い切るということが強調されますが、アグレッシブなボール奪取は主導権を持ち続けることにもつながります。

長野 90分間、攻守両面でアグレッシブにプレーして、その上で選手がかかわりながらゴールに向かっていく。そういうチームを目指しています。その中で自分に求められているのは、相手の中盤に対して強さを発揮し、球際の強さを出して、攻撃の幅を生むプレーや前への攻撃参加だと思っています。ボランチは、本当にチームの中心というポジションだし、どうやって自分がチームを勝たせられるのかをいつも考えています。そういうことができるのは中央にいる選手だし、もちろん競争が激しいポジションですが、周りがどうこうというよりも、常に自分に集中して良いパフォーマンスが出せたらと思っています。

――今回の女子アジアカップをどんな大会にしたいですか。

長野 結果を求めるのはもちろんですが、内容面で来年のW杯につなげるために、自分たちが目指しているサッカーを明確に表現できるような試合をしたいし、大会にしたいと思います。私はアンダーカテゴリーでしかアジアの戦いを経験したことがありませんが、苦しんだ試合が多かったし、簡単には勝てるものではありません。勢いがあるチームに対して、自分たちが受け身になったら終わり。自分たちも勢いをもって、どんどん仕掛けていくことが大切だと思います。

――今大会はW杯の出場権とともに3連覇もかかります。

長野 チームの目標は最初のキャンプから優勝です。そこを目指してやってきているので、絶対につかみとらなくてはいけないと思っています。私自身は、真ん中の選手なので、得点につながるパスだったり、1対1で中盤で絶対に負けないというところもそうですし、私が絶対にチームを勝たせるんだという熱いプレーを見せたいです。

――W杯予選という意味でも強い思いがあるのでは?

長野 私は5歳でサッカーを始めたのですが、当時男子のW杯を見て、自分もW杯に出たいと思っていました。実際にあのピッチに立つことを想像をすると震えますよね。レベルの高い国、選手とプレーできるなんて、そんな幸せなことはないと思います。

なでしこジャパンがW杯で優勝した時は(2011年)、中1で、「すごいな、かっこいいな」と思って見ていました。自分もなでしこ(ジャパンの選手)になって絶対世界大会で優勝すると思っていました。2019年のフランスでのW杯は、テレビで見ているだけですごく悔しかったですし、次のW杯には絶対に自分がピッチに立ってチームを勝たせられるようなプレーをしたいと思っています。

――チームを勝たせる活躍を期待しています。

長野 世界で活躍できる選手というのが、私がずっと掲げている目標です。そのためには、まだまだたくさんやることがあるので日々成長していきます。

Profile◎ながの・ふうか/1999年3月9日生まれ、東京都出身。浦和レッズレディースJr.ユース時代から才能を評価され、2014年に飛び級で参加したU-17女子W杯で5試合にフル出場。優勝の貢献した。2016年のU-17W杯では10番を背負い、キャンテンとして準優勝。アジア年間最優秀ユース選手賞も受賞した。2018年のU-20W杯でも優勝。年代別代表では世界的にも高い評価を得た。クラブは浦和、仁川現代製鉄(韓国)、ちふれASエルフェン埼玉でプレーし、2021年からはマイナビ仙台レディースでプレー。中心の一人としてプレーしている。160㎝、53㎏


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