1月20日開幕の女子アジアカップに臨む、なでしこジャパン(日本女子代表)。21日の初戦から大会3連覇と2023年女子ワールドカップ出場権獲得を目指す、登録メンバー23人の選手名鑑をお届けする。紹介してくれるのは、女子サッカーを長年取材しているフリーアナウンサーの日々野真理氏。これをチェックしてから試合を見れば、より楽しめること間違いなし!

MF8 猶本光
『力強さを身につけ、視野の広さを生かす』

画像: 海外での経験を生かし、力強いプレーでの貢献を目指す猶本

海外での経験を生かし、力強いプレーでの貢献を目指す猶本

「視野の広さと展開力が持ち味で、ミドルシュートも武器としているボランチ。前線と絡んで得点に絡むプレーが期待されます。2018年6月に浦和レッズレディースからドイツのクラブに移籍し、20年に浦和に復帰してからは『ドイツで、球際で勝つことが大前提だと痛感しました』と話している通り、力強さが増し、たくましくなりました。3大会連続となる女子アジアカップのメンバー入りで、3連覇への貢献に期待したいです。ちなみに『体に良いものばかり食べさせられていた』という子どもの頃、おやつは納豆だったとか!」

◆Profile
猶本光(NAOMOTO Hikaru)
・ポジション:MF
・背番号:8
・生年月日:1994年3月3日
・所属:三菱重工浦和レッズレディース
・身長/体重:158㎝/55kg

MF17 成宮唯
『遅咲きで咲き誇る、なでしこの秘密兵器』

画像: 今季WEリーグでの活躍が評価され、なでしこジャパンで初の大舞台に臨む成宮

今季WEリーグでの活躍が評価され、なでしこジャパンで初の大舞台に臨む成宮

「正確な技術を駆使してチャンスメークと得点の両面で貢献し、ハードワークも持ち味とするアタッカーです。池田太監督就任後、2021年10月に日本代表候補に初選出され、11月のアイスランド戦で代表デビューを果たしたばかり。ベガルタ仙台レディース、スペランツァFC大阪高槻、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースを経て、今季INAC神戸に移籍。WEリーグで首位独走の原動力となり、26歳での代表初選出となりました。なでしこジャパンの秘密兵器として、攻撃を活性化する働きを期待しています!」

◆Profile
成宮唯(NARUMIYA Yui)
・ポジション:MF
・背番号:17
・生年月日:1995年2月22日
・所属:INAC神戸レオネッサ
・身長/体重:154㎝/44kg

MF7 隅田凜
『偉大な先輩の背中を追うボランチ

画像: 周囲と連係しながら攻守のバランスを取り、中盤で存在感を放つ隅田

周囲と連係しながら攻守のバランスを取り、中盤で存在感を放つ隅田

「自身の持ち味を『サポートの質や、前への推進力を見てほしい』と語るボランチ。代表での働きについて『バランスを取ること、一つひとつのポジショニングなど、細かいところを突き詰めてプレーしたい』と意気込んでいました。普段から落ち着いていて、その冷静さがプレーに表れています。あこがれの選手は、ベレーザ時代にボランチでコンビを組んだ阪口夢穂選手(現大宮アルディージャVENTUS)。得点能力が高く、2011年のワールドカップ優勝にも貢献した先輩のように、今大会でも活躍に期待!」

◆Profile
隅田凜(SUMIDA Rin)
・ポジション:MF
・背番号:7
・生年月日:1996年1月12日
・所属:マイナビ仙台レディース
・身長/体重:158㎝/52kg

MF14 長谷川唯
『なでしこが誇るテクニシャン』

画像: 欧州のクラブで経験を積み、なでしこジャパンに不可欠の存在となっている長谷川

欧州のクラブで経験を積み、なでしこジャパンに不可欠の存在となっている長谷川

「抜群のテクニックとアイディアが光る、なでしこジャパンの攻撃の要。東京五輪でも体格で上回る相手選手を向こうに回し、1人で局面を打開するプレーが光っていました。トリッキーなプレーでのチャンスメークや得点も魅力ですが、本人はオフ・ザ・ボールの動きも意識していて『相手を引きつけてスペースを作る動きや、守備でも「実は、あれが効いていたよね」と言われる動きで貢献するところを見てもらえたら、うれしい』とのこと。ピッチ外でのこだわりは、ヘアケア。プレー中もなびくサラサラの髪の毛は、かなりこだわってケアしているそうですよ!」

◆Profile
長谷川唯(HASEGAWA Yui)
・ポジション:MF
・背番号:14
・生年月日:1997年1月29日
・所属:ウェストハム・ユナイテッド(イングランド)
・身長/体重:157㎝/47kg

MF16 林穂之香
『強化したフィジカルでボールに絡む』

画像: 2021年からスウェーデンでプレーする林。体格の大きな相手の中で成長を遂げている

2021年からスウェーデンでプレーする林。体格の大きな相手の中で成長を遂げている

「球際の強さとボールを奪い切る守備に加え、ミドルシュートも持ち味とするボランチです。ポジショニングでは『こぼれ球への反応も意識している』そうで、2021年からプレーするスウェーデンのクラブで『フィジカルを強化して強さが増し、ボールをキープしたり、かわしたりすることが、うまくできるようになった』と手応えをつかんでいます。同志社大でスポーツ心理学を学び、チームメイトにプラスの言葉を掛けることを心がけているそうで、周りと協調しながらチームに貢献してほしいですね!」

◆Profile
林穂之香(HAYASHI Honoka)
・ポジション:MF
・背番号:16
・生年月日:1998年5月19日
・所属:AIKフットボール(スウェーデン)
・身長/体重:157㎝/52kg

MF15 長野風花
『中盤を制して勝利への貢献を期す』

画像: アンダーカテゴリーで二度の世界一。長野は自身三度目の世界一に向けてスタートを切る

アンダーカテゴリーで二度の世界一。長野は自身三度目の世界一に向けてスタートを切る

「2014年にU-17女子ワールドカップで優勝、18年にU-20女子ワールドカップで優勝し、すでに二度の世界一に貢献しています。『中盤での戦いで負けないことを意識してプレーしている』と語るボランチで、タイミングの良い攻撃参加、得点につながるパスなど、味方の持ち味を生かすプレーが魅力です。2021年11月のアイスランド戦で代表初先発を果たし、『ワールドカップに出場して、あのピッチでチームを勝たせることができる選手になりたい』と意気込んでいます。最近、髪をバッサリ切ってセミロングにしたのは、強い決意の表れかも?」

◆Profile
長野風花(NAGANO Fuka)
・ポジション:MF
・背番号:15
・生年月日:1999年3月9日
・所属:マイナビ仙台レディース
・身長/体重:160㎝/53kg

MF23 宮澤ひなた
『攻撃の武器が豊富なスピードスター』

画像: 多くの武器の中でも速さが際立つ宮澤。持ち味のスピードで攻撃を活性化したい

多くの武器の中でも速さが際立つ宮澤。持ち味のスピードで攻撃を活性化したい

「攻撃を組み立ててスイッチを入れつつ、周りを生かすプレーも得意としているアタッカーですが、最も目を引くのはスピード。それを生かしたドリブル突破は相手の脅威で、マイナビ仙台レディースではFWでもプレーしています。他のアタッカーとは特徴が異なるので、今大会でも先発以外に、交代出場で流れを変える働きが期待できそうです。ピッチを離れると、とてもお母さん思いなのが印象的。母への感謝を語り始めると止まらない、優しい選手です」

◆Profile
宮澤ひなた(MIYAZAWA Hinata)
・ポジション:MF
・背番号:23
・生年月日:1999年11月28日
・所属:マイナビ仙台レディース
・身長/体重:160㎝/48kg

MF13 遠藤純
『東京五輪も経験した次世代レフティー』

画像: 東京五輪で全試合に出場した遠藤。今回も最年少メンバーながら経験は豊富だ

東京五輪で全試合に出場した遠藤。今回も最年少メンバーながら経験は豊富だ

「利き足の左足から繰り出すパワフルなシュートや、スピードを生かしたドリブル突破が武器。若い頃から上の年代の代表チームに飛び級で招集されてきて、東京五輪にも最年少メンバーで選出され、全4試合に交代出場しました。日テレ・東京Vベレーザからアメリカのクラブへの移籍が決まり、新たな挑戦を始める前に、なでしこでの活躍が期待されます。ご家族が彼女の熱心なサポーターで、オリジナルTシャツを着てスタンドで応援しているほか、お父さんはSNSで情報を発信するなど、家族との絆がとても強いんですよ!」

◆Profile
遠藤純(ENDO Jun)
・ポジション:MF
・背番号:13
・生年月日:2000年5月24日
・所属:エンジェル・シティFC(アメリカ)
・身長/体重:167㎝/55kg

FW9 菅澤優衣香
『高さと強さ、経験が武器の点取り屋』

画像: 前線でターゲットになる菅澤。パワフルなプレーに注目だ

前線でターゲットになる菅澤。パワフルなプレーに注目だ

「なでしこリーグで得点王3回、2020年にはMVPにも選ばれている経験豊富なストライカー。恵まれたフィジカルを生かして前線で体を張り、ポストプレーで周囲を生かすだけでなく、パワフルなシュートでネットを揺らします。東京五輪ではグループステージ2試合で先発したものの、敗れた準々決勝のスウェーデン戦はベンチ外。悔しさを新生なでしこでのプレーにぶつけてほしいです。力強い見た目とは対照的に声がかわいらしく、おっとりしています。今大会も試合後のインタビューで、そんなギャップが見られるかも?」

◆Profile
菅澤優衣香(SUGASAWA Yuika)
・ポジション:FW
・背番号:9
・生年月日:1990年10月5日
・所属:三菱重工浦和レッズレディース
・身長/体重:169㎝/62kg

FW10 岩渕真奈
『強い思いで引っ張る、なでしこのリーダー』

画像: なでしこジャパンの顔と言っていい岩渕。今大会も背番号10を背負う(写真◎Getty Images)

なでしこジャパンの顔と言っていい岩渕。今大会も背番号10を背負う(写真◎Getty Images)

「言わずと知れた、なでしこが世界に誇る『ぶっちー』。ドリブル突破と抜きん出た得点力で長年、代表の中心選手として活躍しています。16歳でデビューを果たし、近年はプレーで引っ張るリーダーへと成長している印象。熊谷選手とともに2011年のワールドカップ優勝を知る2人で、精神的にもチームを引っ張り、もう一度なでしこを世界一に、という強い思いがコメントからも伝わってきます。以前から背番号10への思い入れが強かったのですが、東京五輪で初めて10番を託され、とても似合っていましたよね。インド到着時に行なわれた検査で新型コロナウイルス感染症の陽性反応が認められたとのことで、とても心配ですが、まずは回復に努めてください!」

◆Profile
岩渕真奈(IWABUCHI Mana)
・ポジション:FW
・背番号:10
・生年月日:1993年3月18日
・所属:アーセナル(イングランド)
・身長/体重:156㎝/54kg

FW11 田中美南
『世界を見据えるザ・ストライカー』

画像: 東京五輪での活躍も記憶に新しい田中。ワールドカップに向けてアジアでも結果を残したい

東京五輪での活躍も記憶に新しい田中。ワールドカップに向けてアジアでも結果を残したい

「ゴールへの嗅覚と泥臭いプレーで得点を奪う『ザ・ストライカー』で、東京五輪では2得点。フィジカルの強さを生かした献身的な守備も光ります。なでしこリーグで前年まで3年連続得点王を獲得していた2019年のワールドカップは、まさかのメンバー落選となりましたが、腐らずに自らを鍛えることに集中し、4年連続得点王に輝きました。今回のメンバーで、国際Aマッチ最多得点は岩渕選手(83試合37得点)ですが、得点率では田中選手の方が上(54試合25得点)。人一倍、思いが強いはずのワールドカップに向けて、まずはアジアで暴れてほしい!」

◆Profile
田中美南(TANAKA Mina)
・ポジション:FW
・背番号:11
・生年月日:1994年4月28日
・所属:INAC神戸レオネッサ
・身長/体重:164㎝/56kg

FW19 植木理子
『華のあるアタッカー、4年越しの世界へ』

画像: 前回は途中離脱したワールドカップを見据えながら、植木はアジア3連覇を目指す

前回は途中離脱したワールドカップを見据えながら、植木はアジア3連覇を目指す

「ドリブル突破やミドルシュートなど、チームに勢いを与えることができるプレーが持ち味で、見る人を引きつける、華のあるアタッカーです。サッカーを始めたのは、なでしこジャパンがワールドカップで優勝した2011年、小学5年生のとき。スタートは遅めでしたが、すぐに年代別代表に選ばれるなど才能を発揮してきました。代表デビューを果たした19年、19歳でワールドカップのメンバーに選出されましたが、負傷のため離脱する悔しさを味わいました。4年越しとなる世界挑戦に向けて、持ち味を遺憾なく発揮してほしいです!」

◆Profile
植木理子(UEKI Riko)
・ポジション:FW
・背番号:19
・生年月日:1999年7月30日
・所属:日テレ・東京ヴェルディベレーザ
・身長/体重:162㎝/53kg

画像: 東京五輪後に就任した池田太監督。3連覇とワールドカップ出場権を懸けて女子アジアカップに臨む

東京五輪後に就任した池田太監督。3連覇とワールドカップ出場権を懸けて女子アジアカップに臨む

●日々野真理氏からのメッセージ
「ワールドカップ出場権を獲得するのは絶対のノルマ。3連覇を成し遂げてほしいですし、アジアで結果を出しながら、世界につながるチームづくりも進めてほしいです。なでしこジャパンへの思い、『チームのために』という意識が強い選手が多いので、そのために『自分が勝負を決めてやる』『私が、なでしこジャパンを勝たせる』との思いで光り輝く選手が、たくさん出てくることを期待します!」

Profile
日々野真理(ひびの・まり)◎1999年からJリーグのリポートに携わり、女子サッカーも長年にわたって取材している、選手からの信頼も厚いフリーアナウンサー。ドイツで開催された2011年女子ワールドカップでもピッチリポーターを務め、なでしこジャパン世界一の瞬間を日本に届けた。

写真◎山口高明、Getty Images


This article is a sponsored article by
''.