なでしこジャパン(日本女子代表)FW岩渕真奈が悔し涙を浮かべた。決勝で敗れた2012年ロンドン五輪のリベンジを期して臨んだものの、ベスト8敗退。世界一を知るエースは厳しい現実に目を向け、さらなる成長を誓った。

上写真=持ち味のドリブル突破などでゴールに迫った岩渕だが、スウェーデンの堅守を崩せなかった(写真◎JMPA)

■2021年7月30日 サッカー女子準々決勝(@埼玉スタジアム2002)
スウェーデン女子 3-1 日本女子
得点:(ス)マグダレナ・エリクソン、スティナ・ブラックステニウス、コソバレ・アスラニ
   (日)田中美南

PKは蹴る前に取り消しに

 観客のいない埼玉スタジアムに敗戦を告げる主審のホイッスルが鳴ると、背番号10は両手をヒザに突いてうなだれた。日本はスウェーデンに敗れ、ベスト8敗退。メダルを懸けた試合にたどり着く前に、大会から姿を消した。

 開始直後から相手ボールに激しくプレッシャーをかけ、チーム最初のシュートを放つなど意欲的にプレー。先制されてからは狭いエリアでパスを受け、ドリブルで運ぶなどして攻撃をリードした。23分にFW田中美南が同点ゴールを決めた後、30分には田中へスルーパスを送ってPKを誘発。ボールをセットし、気持ちを高めていた。

 ところが、ここでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入してPKが取り消されてしまう。逆転のチャンスが消えた日本は、後半に2失点。岩渕は最後までゴールをこじ開けようとしたものの、堅守を崩すことができなかった。

 試合後は涙を浮かべながら「内容どうこうより、結果がすべての世界なので。残念ですけど、やれることはやったかなと思います」と語った。アメリカに敗れた2012年ロンドン五輪決勝で、1-2で迎えた終了間際に決定機を迎えたものの、GKに阻まれて決められず。9年越しのリベンジを目指した大会で、またも悔し涙を流すことになった。

 初戦から苦しい戦いが続いた4試合を振り返り、「世界と勝負する、世界に勝つという部分では、もっと全員が貪欲に、本当に上を目指してやる環境を求めなければ勝てないと思う」とコメント。2011年のワールドカップ優勝を知る一人として、再びあの舞台に立つためには、日本の女子サッカー全体の成長が不可欠との認識を示した。

 まだ28歳。これからも、なでしこジャパンを引っ張る働きが期待されるエースは「今後女子サッカーが発展していく上で、代表は強くなければいけないと思う。各個人がこの悔しさを、しっかり次につなげられるようにやりたい」と懸命に前を向いた。


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