上写真=宮城天の「練習通り」のPKの瞬間!(写真◎J.LEAGUE)
■2025年9月7日 ルヴァン杯準々決勝第2戦(観衆:23,214人@U等々力)
川崎F 3-2 浦和(延長)
※川崎Fが1勝1分けで準決勝進出
得点:(川)エリソン、伊藤達哉、宮城 天
(浦)イサーク・キーセ・テリン、中島翔哉
2週連続ゴール!
2-2に追いつかれて迎えた延長前半。伊藤達哉がドリブルで抜け出すところで倒されて獲得したPKは、自ら蹴らずに「託した」という。宮城天がPKスポットに向かった。
「ここで外したら、男じゃないなと」
「それと、ここで外したらもう終わりだなと」
宮城は強い意志と危機感の両方を抱えて右足でボールをたたくと、ボールはGK西川周作の逆を突いてゴール右へと力強く飛び込んだ。96分のこの1点が決勝点になって、川崎Fが準決勝進出を決めた。
でも、外すわけはないのだ。
「PKは普段蹴っているときも外さないですし、自信はあったので、僕は蹴りたいと思っていました。自分が出たときには全部自分が蹴ることができたらいいと思っていて、練習で信頼してくれて、託してくれて、それで決められたのでよかったです」
絶対的な自信と周囲からの分厚い信頼。だから、無駄な緊張感とは無縁だった。
「平常心でやりました。いつも通り蹴れば入ると思うんですけど、余計な緊張をしたらコースも甘くなりますし、相手に余裕に思われちゃう。いつも通りの練習の感じで蹴って、普通に入ったら自信を持てるなと思って」
8月31日のJ1第28節FC町田ゼルビア戦でもゴールを決めていて、これで2週連発。この2つのゴールは、宮城がいま自身が思い描く選手の姿を示している。
「PKとゴール前に詰めていたゴールなので、あんまり、調子がいいとか悪いとかではないけれど、分析担当の人やチームのいろいろな人と、ゴール前に迫れていなかったり、怖さが足りないと話していました。そこは改めようという気持ちでやった結果、いまゴール前に入っていけている。そういうところはもっと突き詰めていかないと」
町田戦のゴールはこぼれ球に詰めて決めたもので、この浦和戦はPKを託されて自信を持って決めたもの。どちらも「怖さ」を追い求めた結果だ。試合中に強打した頭部にバンテージが巻かれて痛々しかったが、58分に登場して107分にピッチを去るまで、きっちりと仕事を果たして勝ち抜きに貢献した充実感を強調するかのようだった。
