上写真=先制ゴールをスコアした広島の加藤陸次樹が歓喜のガッツポーズ(写真◎J.LEAGUE)
■2024年6月5日 ルヴァン杯・プレーオフラウンド第1戦(観衆7,265人/@味スタ)
FC東京 1−2 広島
得点:(F)ディエゴ・オリヴェイラ
(広)加藤陸次樹、松本泰志
試合の入り方に成功した広島
いきなりの2得点でアウェーチームの広島がリードを奪った。
10分、左から志知が送ったグラウンダーのクロスを、加藤とピエロスが連続スルー。FC東京の守備陣を惑わせると、ペナルティーアークにいた大橋が収め、背後に落とす。これを拾ったピエロスがボックス右にポジションを取っていた新井に展開。ゴール前にクロスを送るとニアの大橋の背後に走り込んだ加藤がヘディングでネットを揺らした。
広島が先制した1分後、今度はハイプレスでボールを奪ってゴールをこじ開けた。FC東京の右CB木本から右サイドバックの安斎にボールが入った瞬間に、広島の左アウトサイドの志知が一気に距離を詰める。安斎がボランチの小泉とのワンツーでプレッシャーを剥がそうとしたが、志知はしっかり付いていき、スライディングでボールを突くことに成功。こぼれたところを大橋が拾ってスルーパスを送り、ピエロスがボックス左から折り返すと、松本が蹴り込み、追加点を挙げた。
どこかふわっと試合に入ったFC東京に対し、広島は試合開始直後から全開だった。その差が早々に表れることになったが、いきなり2発を食らったことでホームチームも目を覚ます。4−2−1−3のトップ下を務めた仲川が後方から受けたボールをドリブルで運び、D・オリヴェイラが飛び出すタイミングでスルーパスを通した。広島のGK川浪が慌てて前に出るもボックス内で交錯することになり、FC東京がPKを獲得。これをD・オリヴェイラがきっちり決めて、1点を返した。
広島の1点リードで迎えた後半だが、1点差になったことでFC東京も前半の入りとは異なるアグレッシブさを見せる。前線からボールを奪う姿勢を示しつつ、奪えないとみるや後方にスムーズに下がってブロックを築く。そして攻めではビルドアップの局面で高がピッカーになってボールを動かしていった。ただ、広島も高から送られるパスの終着点にはしっかりプレッシャーをかけ、簡単には攻撃の形を作らせない。
互いに何度かチャンスをつかむもモノにはできず、試合は進んでいった。71分、FC東京が先に動く。仲川に代わって原川、俵積田に代わって中村を投入。それに伴い右サイドバックの安斎が左ウイングに移動し、右サイドバックには中村が入った。
だが、スコアは動かなかった。アディショナルタイムにD・オリヴェイラ、原川とつないでFC東京がカウンターでビッグチャンスを生み出したが、野澤零がフリーで放ったシュートは枠をとらえられず。結局そのまま試合を終了。
前半開始早々に2ゴールを挙げたアウェーの広島が、FC東京の反撃をPKによる1点に抑え、9日にホームで迎える第2戦に向けて大きな勝利をつかみ取った。
▼出場メンバー
・FC東京◎GK波多野豪、DF安斎颯馬、木本恭生、エンリケ・トレヴィザン、徳元悠平、MF小泉慶、高宇洋、仲川輝人(71分:原川力)、FWジャジャ・シルバ(87分:野澤零温)、ディエゴ・オリヴェイラ、俵積田晃太(71分:中村帆高)
・広島◎GK川浪吾郎、DF中野就斗、荒木隼人(76分:越道草太)、佐々木翔、MF新井直人、松本泰志、東俊希、志知孝明、FW大橋祐紀(89分:満田誠)、加藤陸次樹、ピエロス・ソティリウ(76分:ドウグラス・ヴィエイラ)