上写真=11月26日の次節に向けて練習を重ねる牛之濵。チーム最多の9得点を挙げている(写真◎石倉利英)
「もちろん目指していきたい」
鳥取は前節、FC琉球に3-2で勝利。15分に先制しながらも29分までに2失点して逆転されたが、42分に牛之濵が決めて追いつくと、後半に入った62分にも牛之濵が決めて逆転勝ちした。
8月の第21節で今季7得点目を決めたのを最後に14試合ノーゴールが続いていたが、ようやく長いトンネルを抜け出して勝利に貢献。「決められない時期が長かったので嫌な感じがありましたが、1点決まると、ほかのプレーや判断も良くなる。最初の1点を取れたことが大きかった」と同点ゴールを振り返った。
そのゴールは、FW重松健太郎のシュートがクロスバーに当たったこぼれ球を蹴り込んだもの。ドリブルで相手ゴールに迫る重松を追って走ったことが奏功し、「どうにか枠に収めるだけというシュートでしたが、あそこまで走ったのが大事なこと。常に走ったからこそ決めることができた」と胸を張った。62分のゴールはMF東條敦輝のパスを蹴り込み、「1点決めていたので、何の力みもなく蹴ることができた。不思議ですね」と笑顔で振り返る。
これでチーム最多のリーグ戦9得点とし、グルージャ盛岡(現いわてグルージャ盛岡)時代の2016年に記録したキャリア最多の9得点に並んだ。それでも「毎年2ケタ得点を目標としていますが、9点や8点で止まって一度も達成できていないので、ぜひ達成したい」と表情を引き締める。
J3は残り2節だが、最終節で対戦する鹿児島ユナイテッドFCからの期限付き移籍中の牛之濵は、その試合に出場できないため、残されたチャンスは次節の奈良クラブ戦の1試合のみ。一方で鳥取はJ2昇格の可能性をわずかに残しており、次節で鳥取が勝ち、2位の鹿児島が負けて、3位のカターレ富山が引き分け以下なら、最終節まで可能性を残すことができる。
「チームのためにプレーするという軸は、どんなときも変わらない。自分が2ケタ得点を達成して、チームが勝つのが一番」と言葉に力を込める。望みをつなぐためには勝利しかない状況で、「ゴールを決めれば勝つ可能性が高まる。自分の中で順番はありますが、もちろん目指していきたい」と2ケタ得点の『両取り』に意気込んでいる。
取材・写真◎石倉利英