上写真=スコアレスドローに貢献した東。この日の試合を終えて加入後12試合連続のフル出場となった(写真◎石倉利英)
■2023年10月8日 J3リーグ第30節(@ヤジン:観衆2,832人)
鳥取 0-0 相模原
7月に加入してJリーグデビュー
敵地に乗り込んだ相模原はボール支配率では劣勢だったものの、DFを含む守備陣が最後まで粘り強く対応し、無失点に抑えた。東は「自分はGKなので、ゼロで抑えることができたのはよかったのですが、いまチームの調子が良いので、絶対に勝ち点3を取りたいと思っていました。試合後ロッカールームへ帰ってきても誰一人、安心している選手はいなくて、みんな悔しがっていた」とチームメイトの様子を明かした一方で、「あまり試合内容は良くなくて、課題もたくさんあったので、次につなげられる勝ち点1だと思う」と前向きに振り返っている。
試合終了間際には波状攻撃を浴びたが、90+2分の鳥取MF田村亮介のシュートを鋭い反応で防ぐなど、多くの好セーブを見せた。「最後のピンチは自分のキックミスからだったので、絶対に止めなければいけないと思っていた」と反省点を挙げたものの、「試合全体を通してみると、落ち着いてプレーできたと思います。相手の枠内シュートは11本くらいあったと思いますが、DFと協力してゼロに抑えたことは自信につながる」と確かな手応えをつかんだ。
名古屋グランパスU-18から2021年にトップチームに昇格し、同年は栃木SCに期限付き移籍したが、公式戦の出場機会はなかった。昨季は復帰した名古屋で、今季は育成型期限付き移籍で加入した水戸ホーリーホックで、やはり出場機会なし。今季途中の7月に同じく育成型期限付き移籍で相模原に加入すると、直後のリーグ戦で先発してJリーグデビューを果たした。
以降は正GKとして、この日の試合を終えて12試合連続のフル出場となり、「名古屋でもレベルの高い中で練習し、成長は感じていましたが、やはり試合に出ないと成長できない部分は多いと感じています。試合勘、勝たせるための動きは、以前よりも成長できていると思う」という感触をつかんでいる。J3残留争いという重圧の中で実戦経験を積み、「試合に出ないと分からない課題、悪いところも見えるようになってくる。しっかり改善できるようにやっていきたい」と今後を見据える。
この日は相模原のファン・サポーターが、前半は東の背中側、後半は視線の向こうにあるゴール裏スタンドから声援を送ってチームを鼓舞。期待に応えて勝ち点1を持ち帰る結果をつかみ、「相模原のサポーターは、どこにでも、たくさん来てくれます。今日も声が聞こえていて、後半は反対側のゴールにいても、ずっと聞こえていました。それが自分たちの力になっています」と感謝した。
依然として降格圏内の19位という状況で、残り8試合でのJ3残留を目指す。「わざわざ鳥取まで来て応援してくれる、たくさんのサポーターの皆さんに残留という結果で恩返ししたい」と力強く語った相模原の守護神は、「感謝の気持ちを伝えられるように頑張っていきたい」と決意を口にした。
取材・写真◎石倉利英