上写真=今季リーグ戦初ゴールを決めた長野(写真◎石倉利英)
■2022年5月15日 J3リーグ第9節(@Axis:観衆1,211人)
鳥取 0-4 福島
得点者:(福)高橋潤哉2、大武峻、長野星輝
「蹴らせてくれと言った」
福島は2-0とリードして迎えた30分過ぎ、MF田中康介が右サイドをドリブル突破。鳥取の守備対応の甘さを突いて敵陣深い位置まで持ち込んだところで、長野がエリア内右サイドのスペースに鋭くダッシュした。
「康介が高い位置まで運んできてくれて、相手がなかなか出てこなかったので、背後に行けると思ってスプリントした」というプレーに、田中が反応してスルーパス。突破を図った長野が鳥取DF魚里直哉に倒され、PKを獲得した。
「前半の立ち上がりでうまくリズムを作れず、流れに乗れていなかったので、ここで1本取って乗っていきたいと思った」という長野は、FW高橋潤哉に「蹴らせてくれと言った」と振り返る。ボールを拾ってセットすると、GKの逆を突いて左スミに決め、リードを3点に広げた(得点時間は34分)。
いわきFCと対戦した5月8日の天皇杯福島県代表決定戦で1-0勝利の決勝点を挙げたのに続く、公式戦2試合連続ゴールで、リーグ戦では今季初得点。その後も前線を幅広く動き回り、フル出場で勝利に貢献した。
リーグ戦での先発出場は4月29日の第7節・愛媛FC戦以来2試合ぶりで、今季2試合目。前回もフル出場したが、激しい雨でピッチコンディションが悪かったこともあり、結果を残せなかった。「今回は良いピッチでサッカーができるので、絶対に結果を残してやろうという気持ちだった」との思いを形にして、リーグ戦3試合ぶりの勝利に導いた。
東福岡高(福岡)から加入したプロ1年目の昨季は、リーグ戦最後の2試合で初めて先発出場して2試合連続ゴールを挙げ、通算10試合出場・2得点だった。今季は早い段階で先発のチャンスをつかみ、公式戦連続ゴール。今季から指揮を執る服部年宏監督は「まだまだ見えているものは多くないが、彼のダイナミックさをうまく引き出しながらやっていければ、チームの良い力になるんじゃないか」と期待を寄せる。
今後も、より多くの出場機会と結果を求めていく。5月22日に20歳となる若きアタッカーは「チームでの役割をこなしつつ、自分のストロングポイントを出していって、結果を出し続けたら、試合に出続けられると思う。やっていきたい」と決意を新たにしていた。
現地取材・写真◎石倉利英