ガイナーレ鳥取MF可児壮隆が、最終節でCKから2アシストを記録した。今季限りでの契約満了が発表されており、鳥取でのラストゲームで勝利に貢献。試合後は4年間在籍したクラブとファン・サポーターへの思いを語っている。

上写真=鳥取での最後の試合でフル出場、勝利に貢献した可児(写真◎石倉利英)

■2021年12月5日 J3リーグ第30節(@Axis:観衆1,584人)
鳥取 3-0 八戸
得点:(鳥)田口裕也、石川大地、鈴木順也

「すごく思い入れがある」

 12月5日の明治安田生命J3リーグ第30節でヴァンラーレ八戸と対戦した鳥取は、2点差以上で勝てば八戸と勝ち点が並んで得失点差で上回り、前節終了時点の14位から順位を上げることができる状況だった。前半に先制して1-0で折り返すと、後半立ち上がりの47分、可児の右CKをFW石川大地がヘッドで合わせて2点目。52分にも可児の左CKをDF鈴木順也がヘッドで合わせ、狙っていた2点差以上での勝利に近づいた。

 どちらも得点後は可児の元に鳥取の選手たちが駆け寄り、喜びの輪ができた。そのまま3-0で勝って12位に浮上した試合後、可児は「CKから2点もチームメイトが決めてくれて、みんなで喜び合うことができた」と感謝のコメント。在籍した4年間を振り返って「1年、2年、3年、4年と(一緒に)戦ってきた選手たちと、ああやって喜ぶことができて本当によかった」と語った。

 2014年に阪南大から川崎フロンターレに加入。15年からは湘南ベルマーレ、ツエーゲン金沢、FC今治に期限付き移籍し、1年ごとにクラブが変わっていた。17年限りで川崎Fとの契約が満了となり、鳥取に完全移籍してプロキャリア最長の4年間プレーしてきたが、11月29日に今季限りでの契約満了が発表された。

「ホームで試合をすると、ホームの利点ということだけでなく、体が動くな、と4年間ずっと思っていました。試合に来てくださっている方の雰囲気づくりや、応援の力によるものだった」と振り返る。川崎Fでのリーグ戦出場はなく、続く3クラブでも思うように出場機会をつかめなかったが、鳥取では昨季まで3年続けてリーグ戦30試合以上に出場し、全28試合の今季も23試合に出場。「キャリアの中で一番長く試合に出ることができたので、すごく思い入れがある。昇格争いや、苦しい戦い、いろいろなことを経験できたので、幸せな4年間でした」と感慨深げに語った。

 序盤で出遅れた今季は、第7節終了後の髙木理己前監督から金鍾成監督への交代も実らず、終盤の3連勝で最下位(15位)を回避するのがやっと。巻き返しが遅きに失した要因について「監督が代わったばかりの頃は、監督の要求に忠実になろうとし過ぎるところがあった」と指摘した可児は、「それでも勝てなくなった後に、自分たちで主導的にやろうという声が出てきた。それがもっと早い段階でできればよかった」と反省点を口にした。

 来季からは別々の道を歩む。最後に「4年間ありがとうございました。チームが苦しいときも、良いときもあるので、どんなときも選手と一緒に戦ってくれたら」とファン・サポーターにメッセージを送った。

現地取材・写真◎石倉利英


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