上写真=ホームでのリーグ戦で初出場を果たした横川(写真◎石倉利英)
「経験不足、実力のなさ」
今治戦の78分、2-0とリードしていた状況で交代出場した横川は、右サイドに入ってプレー。鳥取は85分に失点して追い上げられたものの、何とか逃げ切って2-1で勝利した。「自分が出てから失点してしまい、慌ててしまった」と振り返った横川は、「自分のミスで流れを完全に相手に持っていかれたのは、経験不足、実力のなさ。ファン・サポーターの皆さんをハラハラさせてしまった」と続けた。
ミスと指摘するのは、失点につながるセンタリングへの対応だ。相手の左サイドにパスが出たとき、MF永島悠史との間で対応があいまいになり、どちらもプレッシャーをかけられないまま正確なキックを許した。「自分のコーチングミス」と反省点を口にするが、その反省も試合に出場したからこそと言える。
湘南ベルマーレU-18からトップチームに昇格した今季、シーズンの最初から期限付き移籍で鳥取に加入したが、思うように出場機会をつかめなかった。髙木理己前監督から金鍾成監督への交代後も状況は変わらず、公式戦出場は5月の天皇杯1回戦で81分から交代出場したのみ。リーグ戦は6月の第11節で控えに入った以外、ベンチ入りの機会も訪れなかった。
しかし11月21日の第27節、アウェーでのアスルクラロ沼津戦で久しぶりに控えに入り、71分から交代出場。2試合連続のベンチ入りから交代出場した今治戦は、リーグ戦ではホーム初出場で、「Axisバードスタジアムの雰囲気をずっと上から見ていて、出たいと思っていた。ようやくピッチに立てたので、うれしかったです」とコメントした。
状況の変化を「ケガ人が増えてきたので、めぐってきたチャンスだと思いますが、Jエリートリーグや練習で手を抜かずにやってきたからこそ、監督が少しずつ使ってくるようになったと思う」と説明する。沼津戦では右サイドでパスを受けてセンタリングを送り、そのこぼれ球から鳥取が1点を返しており、「沼津戦で少し得点に絡んだからこそ、信頼して今治戦も出してもらったと感じている」とコメント。「それを裏切る形になってしまったので、信頼を取り戻せるように、練習からしっかりやっていきたい」と意気込む。
11月28日の第29節・カマタマーレ讃岐戦に勝てば、今季の最下位(15位)を回避できることが決まる。横川は残り2試合のリーグ戦に向けて「(試合に出場し始めたのが)遅いな、という思いも、もう残り2試合か、という思いもありますが、最後は良い終わり方をして来季につなげたい」と言葉に力を込めていた。
取材・写真◎石倉利英