鹿児島ユナイテッドFCのDFフォゲッチが、素晴らしい活躍を見せた。9月18日のガイナーレ鳥取戦で前半にJリーグ初得点を決めると、後半に2点目をアシスト。チームを2-0の勝利に導き、試合後は日本語でも喜びを語っている。

上写真=アウェーでの鳥取戦で勝利に貢献したフォゲッチ(写真◎石倉利英)

■2021年9月18日 J3リーグ第19節(@Axis:観衆1,225人)
鳥取 0-2 鹿児島
得点:(鹿)フォゲッチ、米澤令衣

「これからもチームに貢献したい」

 9月18日の明治安田生命J3リーグ第19節、アウェーで鳥取と対戦した鹿児島は、31分に均衡を破った。左サイドから攻め込み、エリア内中央でFW山本駿亮がシュートを放つが、鳥取守備陣にブロックされる。しかし、こぼれ球をエリア外右サイドからフォゲッチが右足で狙うと、浮き球をボレーで捉えてドライブがかかったボールが鳥取GK田尻健のファンブルを誘い、右ポストに当たりながらもゴールに吸い込まれた。

 ブラジルのFCカスカベウから加入2年目の右サイドバックが、Jリーグ初得点。試合後のオンライン会見ではシュート直前のシーンについて「左サイドで組み立てていて、逆サイドの僕がしっかり中に絞るというチームの約束事があった」と語り、「結果的に右にボールが来て、目の前にこぼれてきたので、迷うことなくシュートを打った」と会心の一撃を振り返った。

 さらに50分にはタイミング良く右サイドを攻め上がり、エリア外右スミから低い弾道のアーリークロス。鮮やかな軌道でファーサイドに通り、ダイレクトで合わせたFW米澤令衣の2点目をアシストした。「顔を上げた瞬間、ゴールキーパーの前にスペースがあるのを認識できた」といい、「米澤選手の動きが完璧に見えていたわけではないですが、目の端で見えた。速いボールを流し込むことで何か起こるかなと思い、ああいうプレーを選択した」と自身のプレーを解説した。

 試合後、昨季まで鹿児島の指揮を執っていた、鳥取の金鍾成(キン・ジョンソン)監督と話し込む姿が見られた。「日本に来るきっかけを与えてくれたことに感謝の言葉を伝えた。最初に日本でプレーするチャンスをくれた監督だったので、結果がどうであれ、試合が終わったら感謝の思いを伝えたいと思っていた」と明かし、「感謝の思いと同時に、ジョンソンさんのチームからゴールしてしまってすみませんでした、とも伝えた」と続けた。

 その後も感謝の思いは尽きなかった。「いつも僕を支えてくれるブラジルの家族のみんなに、ありがとうと伝えたい。そして、鹿児島に来てから常に僕を助けてくれたチームメイト、監督、スタッフの皆さん、通訳の方、みんなに感謝の気持ちを伝えたい」と語り、「今日はゴールを決めてチームに貢献することができましたが、このゴールだけで満足しないように、続けていくことが大事。これからも結果に直結するプレーでチームに貢献していきたい」とあらためて強い決意を語った。

 最後に、日本語で思いを語ってほしいとのリクエストに「ミンナ、サポート、キョウイチバン(今日一番)、ゴールネ。アリガトウゴザイマス。ガンバリマショウ!」とコメント。決して流ちょうとは言えないが、思いがこもった日本語を、最高の笑顔で口にした。

現地取材・写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.