歴史的大混戦の明治安田J2リーグは、11月29日に最終節となる第38節を迎えた。自動昇格チームは水戸ホーリーホックとV・ファーレン長崎に決定、プレーオフにはジェフユナイテッド千葉、徳島ヴォルティス、ジュビロ磐田、RB大宮アルディージャが進出し、カターレ富山が逆転で残留を決めた。

上写真=水戸は激しく戦って見事な勝利を手にした(写真◎桜井ひとし)

水戸が逆転V!

■水戸 2-0 大分
得点:(水)多田圭佑、山本隼大

■徳島 1-1 長崎
得点:(徳)渡 大生
   (長)翁長 聖

■千葉 5-0 今治
得点:(千)カルリーニョス・ジュニオ、鈴木大輔、オウンゴール、石川大地、エドゥアルド

 水戸ホーリーホックが逆転でJ2初優勝、そして初めてのJ1昇格を決めた。

 J2優勝と自動昇格は、首位のV・ファーレン長崎、2位の水戸、3位のジェフユナイテッド千葉に可能性が残され、4位の徳島ヴォルティスにも2位に滑り込むチャンスがあった。長崎と徳島は直接対決、水戸は大分と、千葉は今治とホームゲームを戦った。

 長崎は苦しんだ。徳島に主導権を握られて、41分には渡大生に強烈なボレーシュートをたたき込まれてリードを許した。しかし、交代策で流れを引き寄せ、左サイドで笠柳翼が突破、折り返しを翁長聖が押し込んで1-1に。このまま引き分けで勝ち点1を手にしてトータルで70に。得失点差でわずかに2及ばずに順位こそ2位に下がったものの、昇格を確定させた。

 水戸は堅いゲームとなって前半は0-0で折り返したが、後半開始早々の46分に多田圭佑が決めて先制。75分には山本隼大がミドルシュートをゴール右へと沈めて2-0とした。大分の反撃を落ち着いてしのいで勝利を収め、長崎が引き分けたためにクラブ史上初めての優勝と初めての昇格を達成した。

 千葉は圧勝だ。前半からペースを握り続け、11分にカルリーニョス・ジュニオが先制すると、31分に鈴木大輔、後半開始直後の46分にオウンゴール、74分に石川大地、85分にエドゥアルドとゴールラッシュを見せた。勝ち点で1及ばずに自動昇格を逃したが、3位でプレーオフに勝負をかける。

磐田が逆転で5位に!

■鳥栖 1-2 磐田
得点:(鳥)鈴木大馳
   (磐)松原 后、リカルド・グラッサ

■山口 3-2 大宮
得点:(山)山本桜大2、小澤亮太
   (大)関口凱心、カブリーニ

■仙台 0-1 いわき
得点:(い)五十嵐聖己

 前節までに長崎、水戸、千葉はすでに6位以上を確定させていたため、プレーオフ進出の残り3枠は徳島、5位のRB大宮アルディージャ、6位のベガルタ仙台、7位のジュビロ磐田が争った。

 上記の通り、徳島は惜しくも長崎に追いつかれたものの勝ち点1を加え、4位フィニッシュ。これに続いたのがジュビロ磐田だ。劇的な逆転勝利でプレーオフ進出を決めた。サガン鳥栖とのアウェーゲームで、67分に松原后が先制したものの、終盤の88分に追いつかれた。しかし、その2分後にリカルド・グラッサが決めて勝ち越した。

 大宮は残留の可能性を残すレノファ山口と戦い、点の取り合いに。18分に関口凱心が先制したものの、42分、54分にゴールを許して逆転された。しかし直後にカブリーニが豪快に決めて58分に同点に。再逆転を狙って攻めたが、81分に山本にこの日2点目を決められて敗れた。それでも、プレーオフ圏内ぎりぎりの6位に踏みとどまった。

 涙をのんだのが仙台。いわきFCをホームに迎え、大声援の中で戦ったものの、なかなかゴールを割ることができない。すると、81分に五十嵐聖己に矢のようなシュートを決められて、万事休す。0-1で敗れて7位に後退した。

 この結果、12月7日のJ1昇格プレーオフ準決勝では、3位の千葉対6位の大宮、4位の徳島対5位の磐田が対戦。勝者同士が13日の決勝で最後の1枠を巡って激突する。

富山が得失点差で1上回り逆転残留!

■熊本 0-0 甲府

■富山 4-1 秋田
得点:(富)古川真人、布施谷翔、椎名伸志、亀田歩夢
   (秋)岡﨑亮平

 すでに残念ながら愛媛FCのJ3降格が決定。残留できるのは、17位のロアッソ熊本、18位のカターレ富山、19位のレノファ山口の中から1チームだけとなった。

 熊本は勝利で残留を確定できる状況だったが、ヴァンフォーレ甲府に0-0でドロー。勝ち点1は上積みしたものの、これを逆転したのが富山だ。ブラウブリッツ秋田から次々にゴールを奪って4-1で快勝して勝ち点37で並ぶと、得失点差でわずかに1上回って、大逆転で17位に滑り込んだ。上記のように山口は大宮に3-2で競り勝って勝ち点を36としたものの、わずかに1及ばず、19位のままで無念のJ3降格となった。


This article is a sponsored article by
''.