どれだけJ1で通用するのか、ワクワクしている
――昇格を決めた熊本戦(○3-0)での先制点を振り返ってください。
宇野 (藤原)優大さんがワンタッチでパスを出してくれたのが大きかったです。おかげで相手選手には、僕にプレッシャーをかける時間がありませんでした。そういった状況で、甲府戦でのゴールで自信がついてきていたので、足を振り抜いて、ああいう球筋のシュートを打てました。試合状況も難しい中、いままでで一番良いシュートが決まったと思いますね。
――甲府戦では5本打ったシュートが、その後の試合でも増えていきました。自分の中で新しい可能性や楽しさを見つけたのでしょうか。
宇野 それまでもゴールや攻撃参加は自分に対して求めていましたが、甲府戦でゴールを決めることができて、自分の中の意識というか、感覚的なところも大きく変わったのかなと思っているんです。「こういうことなんだな」「こういう感覚なんだな」というものをつかむきっかけになったので、シュートが増えているんだと思います。
――熊本戦での得点場面では、ボールが来た瞬間にゴールへ目を向けていました。
宇野 以前の僕だったら、あのワンタッチのパスを右足で後ろ向きにトラップする選択をしていてもおかしくなかったですね。確かに、あの場面ですぐに前を向く体勢に持っていったのは、攻撃や前への意識が強くなったことが要因の一つだと思います。
――その熊本戦で昇格が決まった瞬間は、どんな雰囲気でしたか?
宇野 僕は終盤に交代してベンチにいたのですが、メンバー外だった選手たちも来ていて、試合終了の笛が鳴った瞬間にみんなが喜んでいる姿や表情を見て、「本当に昇格できたんだな」という喜びを感じていました。プロのステージで優勝や昇格を味わうことができて、本当にうれしかったです。
――町田にとっても、宇野選手にとっても初めてとなるJ1へは、どんな思いがありますか?
宇野 高校卒業のタイミングではJ1のクラブから声が掛からず、とても悔しい思いをしましたが、実際にJ2でプレーして、甘くない世界だとひしひし感じながらシーズンを過ごしてきました。その上でJ1にチャレンジできる機会を得られたのは本当に楽しみですし、どれだけJ1で通用するのか、ワクワクしています。
――最近は大学経由で活躍する選手が増えています。進学は考えなかったのですか?
宇野 声を掛けていただいていた大学もあり、かなり長い時間をかけて考えました。自分に甘えを許さないというか、どちらの方が自分をより厳しく見られるかと、よく考えて、毎試合、毎年、本当に甘い時間がないのではないかと感じたのがプロの世界でした。そういう世界により早く身を置くことが成長につながるのではないかと考えたんです。