FC町田ゼルビアのFWエリキが、6月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。6月の4試合で4得点、7月にかけては5試合連続ゴールを記録した背番号11の受賞は、2・3月度に続いて今季2回目。首位を独走する町田を攻守両面でけん引するアタッカーに、愛する日本でプレーする上で大切にしていることや、今後への意気込みなどを聞いた。

暑い方が好きなのでプレーしやすい

画像: 長崎との第20節では2得点2アシストで4-1の勝利に貢献。暑い季節を迎えても衰えない町田の攻撃をリードしている(写真◎J.LEAGUE)

長崎との第20節では2得点2アシストで4-1の勝利に貢献。暑い季節を迎えても衰えない町田の攻撃をリードしている(写真◎J.LEAGUE)

――国立競技場で行なわれた第25節は、国立競技場に町田のホームゲーム史上最多となる3万8402人の大観衆が詰めかけました。

エリキ ピッチに立った瞬間、特別な雰囲気を感じました。両クラブのファン・サポーターをはじめ、多くの方々に来ていただいた中で、両チーム合わせて4ゴールを見せることができた(2-2の引き分け)。これぞサッカーだと感じました。多くの観客の前でプレーする喜びは格別です。私はブラジルのマラカナン・スタジアムで、6万人や7万人の大観衆の前でプレーしたことがありますが、国立競技場での試合は日本でのキャリアにおいて特別な、深く記憶に刻まれる試合になりました。

――6月最初の試合となったジェフ千葉戦は、90+1分と90+6分の得点で勝ちました(6月3日の第19節・〇2-0)。90+6分のゴールで勝った清水エスパルス戦(5月21日の第17節・○2-1)や、0-2からエリキ選手の2ゴールで追い付き、最後は88分の逆転ゴールで勝った大宮アルディージャ戦(7月1日の第23節・〇3-2)など、今季の町田は劇的な勝利が多いです。何が要因だと思いますか?

エリキ 千葉戦、清水戦、大宮戦は、どれも非常に難しい試合でした。それでも自分たちを信じ、最後まであきらめずにプレーして勝利を目指す。誰もがそういう気持ちで戦っているからこそ、このような結果を得られているのでしょう。

――V・ファーレン長崎戦(6月11日の第20節・〇4-1)で、エリキ選手は2得点を挙げる一方で、2アシストも記録しました。FWとして自分がゴールを決めたいという思いと、アシストするときで、どのように気持ちやプレーを切り替えているのですか?

エリキ 私は自分のことだけを考えてプレーするメンタリティーは持ち合わせていません。どんな形のゴールであれ、アシストであれ、私にとって最も大切なのは、チームの勝利に貢献することです。得点王を狙おうとか、個人賞をもらおうといったことは全く考えていません。チーム全員が同じメンタリティーを持ち、勝利に貢献することは大前提で、ゴールやアシストは、それについてくるものです。

――2・3月度の受賞インタビューで「気候が暑い方が自分の良さを発揮できる」と語っていました。今年の日本は早い時期から暑くなっています。

エリキ 一番好きな季節です。暑い方が好きなのでプレーしやすいですし、実際にパフォーマンスも良くなっていると感じています。自分がアスリートとしてだけでなく、人としても成長できる時期ですから、この先いろいろなことがあると思いますが、日々の瞬間を大事にして、アスリートとしても人間としても成長していけるように努力したいです。

――町田のファン・サポーターの印象は?

エリキ 私は日本が好きですし、町田の街も気に入っていて、とてもファンタスティックな気持ちです。今季のFC町田ゼルビアのチームメイト、スタッフ、クラブ関係者は非常にまとまっていて、そこにファン・サポーターの方々もついてきてくれている。応援してくれる人々の数が少しずつ増えていると感じていて、とてもうれしいですし、皆さんの応援にとても感謝しています。

――最後に、そのファン・サポーターの皆さんへのメッセージと、今後への意気込みを聞かせてください。

エリキ いつも応援してくれるファン・サポーターの皆さん、感謝しています。また、月間MVPに選んでいただいたJリーグ関係者の皆さんにも感謝しています。今後もMVPに選ばれるようなプレーを見せたいですが、私の目標は個人賞を受賞することではありません。チームメイトとともに一丸となって戦うことを、肝に銘じてやっていきます。日本の皆さん、サッカーを好きな子どもたちの良いお手本となるような振る舞いをピッチ内外で続けていきたいです。ぜひ応援してください!

――ゴール後の『W』ポーズ(3本の指をアルファベットの『W』のように立てて顔に当てるゴールパフォーマンス。夫人と自分の母親の名前の最初の文字が『W』であることが由来)を、今季これからもたくさん見せてくださいね!

エリキ そうですね、頑張ります! アリガトウゴザイマス! マタネ!

取材・構成◎石倉利英

ERIK Nascimento de Lima◎1994年7月18日生まれ、ブラジル出身。ゴイアスでのプロデビュー後にブラジルの複数のクラブでプレーしたのち、2019年途中に横浜F・マリノスに加入。J1リーグ12試合出場・8得点の大活躍で優勝に大きく貢献した。2020年も横浜FMでJ1リーグ29試合に出場して13得点。2021年に長春亜泰(中国)に移籍して2シーズンプレーし、今季から町田に加入して3年ぶりにJリーグに復帰した。スピードに乗ったドリブルと正確なシュートで得点を量産するだけでなく、多くのアシストも記録。献身的な守備でも貢献し、首位を独走する町田を支えている。170cm、65kg


This article is a sponsored article by
''.