上写真=田口泰士は琉球戦へ「相手のやりたいことをやらせない」(写真提供◎JEFUNITED)
「サッカーってそういうところから」
「がっかりさせている試合ばかりだと思うので、最後ぐらいは皆さんに笑って帰ってもらえるようにしたいと思います」
副キャプテンとしてピッチに立ち続けてきた田口泰士が、今季のホームゲーム最終戦を前に誓ったのが、そのことだった。
勝ち点55で10位からプレーオフ出場を狙う残り2試合だが、前節でブラウブリッツ秋田に0-3の完敗を喫したことが悔やまれる。
「相手のやりたいように、結局90分を通してやられてしまった印象です」
セットプレーから先制されて、前がかりになった裏を突かれてさらに2失点だった。
「ボランチとセンターバックの距離が空くシーンが前半より後半に多くなってしまって、ちょっとしたことというか、前半にできていたことが後半できなくなりましたけど、サッカーってそういうところから流れが変わるもので、ずるずるといってしまいました」
もうシーズンは終わりに近づくが、それでも1試合1試合での成長を目指すから、厳しいことも言う。
「年間を通して言ってきていますが、まだまだそういうレベルにまで達していないチームだと思うので、もっと改善しなければ上はないと思っています。チームとしてもそうですけど、個々のところで意識的にやっていく必要がある」
残り2試合でもその意識は見せ続けなければならない。10月16日に迎えるのはFC琉球。
「なかなか向こうも厳しい状況で、勝たなければいけない状況なので、必死になって圧力をかけてやってくると思います。ロングボールを蹴って自分たちの陣地に入ってきて、セカンドボールを拾ってというのは秋田と似ているかもしれません。相手のやりたいことをやらせないことが大事です」
琉球はこの試合で引き分け以下、あるいはもし勝ったとしても20位のザスパクサツ群馬がいわてグルージャ盛岡に勝てば降格が決まるから、どれだけの思いで向かってくるかは想像に難くない。そのパワーをひっくり返すために、ボランチの田口のハイパフォーマンスは欠かせない。
「サポーターの皆さんも最後ぐらい勝ってくれよと思っていると思うので、期待に応えられるように全力で頑張りたい」
その「全力」には自慢のハードな守備はもちろん、歓喜を呼ぶゴールも含まれる。今季はアウェーの岩手戦での1ゴールのみ。
「毎試合狙っていますけど、ホームで決めたいですね」