上写真=尹晶煥監督は次の相手、大宮を「前線に速い選手がいて背後を狙ってくる」と警戒(写真提供◎JEFUNITED)
「選手たちも気づいていて」
J2は6月18日と19日の第22節から、いよいよ後半戦へと突入する。2巡目の対戦では対策が進み、ときに理想をかなぐり捨てて現実的に勝ち点を少しでも積み上げるために、激しい争いが繰り広げられる。
ジェフユナイテッド千葉は、プレーオフ圏内の6位に勝ち点わずか1差の8位につけている。現時点では追われる立場になるケースが増えそうだ。だが、尹晶煥監督はひるまない。
「分析されるところはありますけど、いままでやってきたことを徹底的に毎試合やれば、勝ち点は拾えると思っています」
ここ5試合は3勝2分けと負けなし。その実績が力強い言葉を後押しする。
前半戦最後の試合となった、直近のヴァンフォーレ甲府戦は1-1だったが、成長の跡を残した。その前のベガルタ仙台戦でアクシデントから採用せざるを得なかった4-4-2の布陣を継続すると、相手の3-4-2-1の布陣とのミスマッチを利用されて序盤は押し込まれたが、ピッチの中で修正したのだ。
「ボランチのところがボールよりも高いポジションになっていて、相手がセンターバックとボランチの間を使って攻めてきました。途中で指摘しましたけれど、選手たちも気づいていて修正できていました。試合の途中でピッチの中で選手たちがうまく修正していくことはいい傾向です」
新型コロナウイルスの影響を受け、負傷者が相次ぎ、いまでもメンバーのやりくりに苦心する。しかし、経験の浅い選手もプレーしながら、自己修復力を身に着けて勝ち点を積み上げてきた。
まだ少し先の話だが、後半戦にはケガ人も戻ってくる。高橋壱晟、末吉塁、高木俊幸、佐々木翔悟、米倉恒貴、鈴木大輔といったメンバーに欠場が続くが、尹晶煥監督も復帰を心待ちにする。
「今回ケガをした選手(佐々木、鈴木)は復帰まで1カ月以上かかるけれど、米倉は良くなってきています。ほかの選手は7月中旬か、もしかしたら8月まで復帰が伸びる選手もいるかもしれませんが」
昨季は勝ち点66で8位。今季は半分を終えて勝ち点30の8位。単純計算では昨季の勝ち点に届かないことになるのだが、今季のJ2は大混戦だ。昨季はラスト13試合で8勝5分けと負けなしでラッシュをかけた。残り15、16試合のあたりでケガ人が戻って「完全体」になれば一気に、の期待を抱いてしまう。
「90分をどれぐらい集中して戦うか。それが鍵になります」
尹晶煥監督の姿勢は揺るがない。集中力。それが千葉の勝利のキーワードだ。