上写真=新井章太は前半戦21試合すべてにフル出場。頼れる守護神の後半戦も楽しみだ(写真提供◎JEFUNITED)
「泥臭くいくのが勝敗のカギ」
ここ5試合で3勝2分け。負けなしで勝ち点を積み上げて、ジェフユナイテッド千葉が8位にまで浮上してきた。前半戦を終えて立つこの場所は、悪くはない。
「全員の準備がすべてでした」
最後尾から仲間を見守るGK新井章太にとっては、苦しい前半戦でも頼もしく感じていた。新型コロナウイルス感染症で陽性者が出たり、現在も相次ぐ負傷者に悩まされてきた。しかしそれが逆に、たくましさの源になった。
「序盤から新しい選手が試合に出たり、そこで経験もできていたので、柔軟に対応できたと思います。そこを経験できたことで大きく違ってきます」
苦境をプラスに転換できた。ここから後半戦。首位・アルビレックス新潟との勝ち点差もまだ12しかないし、プレーオフ圏内の6位まではたったの1差。混戦模様はここからさらに激化しそうで、気を抜けば転落する危険性もあるが、一気に上昇できるチャンスも転がっている。
だから、副キャプテンの出番だ。
「監督、コーチ、選手全員でどうもっていくかですよね。先を見すぎてもどうしようもないですし、目の前の対戦を大事にしないといけない。攻守においてゴール前でこだわって、詰めるところを詰めて、泥臭くいくのが勝敗のカギだと思っています。そしてそれを、練習からこだわらなければいけない。そこはみんなに意識させながら、勝者のメンタリティーを植え付けたいと思います」
J2の後半戦は毎年ハードだ。2巡目の対戦でお互いに研究と対策が深まり、特に下位チームは勝ち点獲得のためになりふり構わずに向かってくる。大宮アルディージャ、V・ファーレン長崎、東京ヴェルディなど、すでに監督交代に踏み切ったクラブもある。しかも、大混戦だから、何が起こるかわからない、ということだけはわかっている。それを乗り越えるために必要なのが、勝者のメンタリティーだというわけだ。
「競り合いの局面で一つも負けない、というものを一人ひとりが持たないといけない」
「キーパーであれば1失点も許さない」
「そういう気持ちで練習からやらなければ」
新井が考えるそれを列挙することは、難しいことではない。ただ、実行するのが難しいだけだ。それを新井自身がまず身をもって示すのが、折り返しの初戦となる大宮戦になる。3週間ほど前に就任したばかりの相馬直樹監督が、立て直しを図っている。
「弱点を見つけづらいので、前半とは違うと思います」
前半戦は4月16日の第10節で敵地で対戦、そこまで未勝利だった大宮に今季初勝利を献上している。ミスから先制ゴールをプレゼントする形になり、1-2で敗れた。
「前半戦で悔しい負け方をしたので、借りを返すだけですね」
ここでしっかり勝って6試合負けなしとして、昨季のラスト13試合負けなし(8勝5分け)超えを狙い、さらに上位へと突き進むつもりだ。