上写真＝鈴木大輔が決めた！ 90＋5分に劇的決勝ヘッドで千葉が勝利！（写真◎J.LEAGUE）
■2022年3月30日 J2リーグ第7節（フクアリ/4,852人）
千葉 1-0 新潟
得点者：（千）鈴木大輔
「これからも勝たなければいけない」と尹晶煥監督
ジェフユナイテッド千葉が鈴木大輔のヘッドで、劇的な今季ホーム初勝利だ。90＋5分、田口泰士の左CKをニアで合わせてゴール右に送り込む一発。最後の最後にドラマが待っていた。
序盤は新潟のもの。テンポ早くボールを動かし、ワンタッチパスを効果的に使ってスピードアップしていく。千葉は後手を踏み、新潟の速さにリアクションすることになった。
だが、一度そのリズムに体が合ってくると、5バックで幅を埋めつつも下がりすぎずに前で迎え撃つ守備から、徐々に負けじとボール保持の意欲を見せていった。攻めては右に福満隆貴、左に秋山陽介が張り出して、3バックの右の新井一耀、左の鈴木大輔とボランチが加勢してサイドで起点を作り、優位に立った。
新潟もセンターバックから縦に差し込む強みを全面に押し出して、ボールが出たところに複数の選手が絡んで崩しを狙う。しかし、ポスト役の谷口海斗や左から切り込む本間至恩へのマークは激しく、ペナルティーエリアの中まではなかなか入らせてもらえなかった。
つまり、五分五分。勝負は後半へと委ねられた。
ともにオープンな攻め合いになったのは60分ごろから。千葉が60分に高木俊幸、末吉塁、67分に米倉恒貴とサウダーニャを立て続けに投入して、一気にパワーを掛けた。末吉のスピードあふれる突破、サウダーニャの意外性などを組み合わせて、新潟陣内に押し込んでいく。
新潟はFWの谷口海斗に代えてMFイッペイ・シノヅカを投入、ゼロトップのような形で高木善朗や伊藤涼太郎、本間至恩、シノヅカが入れ替わりながらゴール前に入るパターンを狙ったが、千葉の冷静な守備に遭って実らず。
どちらにとっても入りそうで入らない。そのもどかしい空気を最後の最後に破ったのが、鈴木だったというわけだ。
新潟の松橋監督は、「最後にジェフさんが狙っている得点パターンに屈してしまいました。全体を通して跳ね返したが、最後にやられて悔しい気持ちでいっぱいです」と振り返った。ゼロトップは「相手の的を絞らせない」という狙いだったが、「最終的に点にはつながりませんでした」と今後のブラッシュアップを示唆した。
千葉の尹晶煥監督はポイントになった守備では、強弱を上手につけることができたことを評価。「みんな最初から集中して、守備では前からプレスかけるときはしっかりかけたし、そうではないときには自陣に下りて構えて、ということがうまくコントロールできました」と称えた。ただ、攻撃では「いいところは何回かあったけれど、急ぐばかりでシュートまでいけなかったところがある」と慌てずに攻める課題の解決を次節に持ち越した。
でも、それよりも何よりも、やはりホームで初めて勝利を届けられたことを真っ先に喜んだ。
「久しぶりにホームで勝ちました。多くの方に喜びを与えることができてよかったです。試合が終わって多くの方の喜ぶ姿を見て、これからも勝たなければいけないと思いました」
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
