久々のホームスタジアムで、貴重な同点弾だ。アルビレックス新潟は3月2日の明治安田生命J2リーグ第3節でホーム開幕。レノファ山口FCを迎えた一戦は先制を許す難しいゲームになったが、MF本間至恩が自身約5カ月ぶりのビッグスワンで貴重な同点ゴールを決めてみせた。

上写真=77分、本間至恩が同点ゴールを決めてこの表情!(写真◎J.LEAGUE)

■2022年3月5日 J2リーグ第3節(デンカS/10,738人)
新潟 1-1 山口
得点者:(新)本間至恩
    (山)大槻周平

「ファーストタッチがうまくいったので」

「久しぶりのビッグスワンで決められてよかったです」

 やはり、本間至恩だ。ホーム開幕戦でゴールという結果を残したナンバー10。昨季は10月9日に負傷して以降、欠場が続いたから、それ以来のホームスタジアムでしっかりと存在感を示した。

 レノファ山口FCに0-1でリードされて迎えた77分、カウンターから決めきった。自陣で相手をつぶしたこぼれ球を千葉和彦が前へ。伊藤涼太郎がそのまま持ち運ぶと、右にイッペイ・シノヅカと谷口海斗が走り出し、本間は左へ真っすぐ走った。

「ボールをチームとして奪ったあとに、涼太郎くんが前を向いて運んでいて、視野が広くてパスがうまい選手なので、しっかり選択肢を作るために前に入って」

 そこにパーフェクトなラストパスが送られてきた。

「ほしいタイミングでスルーパスをくれて、ファーストタッチがうまくいったので決めるだけでした」

 右足のアウトサイドで優しくボールを前に運び、もう2回、右足アウトサイドで前に運んでから、GK関憲太郎が出てくる動きをしっかり見て、4タッチ目に右足インサイドで流し込んだ。「股を狙っていたわけではない」と話すが、「きっちりゴールに流し込もう」という意識によって、少しだけGKに当たったボールは勢いを失わずにゴールに転がり込んだ。

「チームのみんなが走って自分に届けてきてくれたボールで、しっかり決めないといけないと思いました。ゴールを奪ったのはみんなのおかげでもあるので、感謝しています」

 難しい試合になった。58分に先制ゴールを許して、前節に続いて追いかける展開に。新潟はこれまでの2試合と同じようにチャンスは作るのだが、ゴールは本間の1点にとどまった。

「たくさん外してきていて、GKと1対1だったので決められてよかったですけど、勝ちきれず悔しい」

 これで3試合連続ドローだ。勝てないが、負けない。悪くはないが、抜群に良くはない。それでも本間は、前節で大宮アルディージャに2点を先行されながら2つのアシストで追いついてみせ、続くこのゲームでは自らゴール。

「結果をしっかり残しているのはいいですけど、チームが勝ちきれていないので勝ちきるだけだと思います」

 エースとして、スタジアム中を笑顔にする責任も感じている。

「久しぶりのビッグスワンで決めることができたのは良かったけれど、サポーターのみなさんが一番喜ぶのは勝つことです。自分のゴールを待っていてくれる人もいるかもしれないけれど、それよりもまずチームの勝利を待ってくれていると思うので、チームとして勝ったところを見せたいと思います」

 次節はアウェーでブラウブリッツ秋田と対戦し、次のホームは3月19日のヴァンフォーレ甲府戦。そこでみんなを喜ばせるつもりだ。


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