上写真=イッペイ・シノヅカが力強くシュートを狙う。仙台と新潟は0-0で勝ち点1を分け合った(写真◎J.LEAGUE)
■2022年2月20日 J2リーグ第1節(ユアスタ/9,617人)
仙台 0-0 新潟
得点者:(仙)なし
(新)なし
「ホームで勝ち点3を取れず悔しい」と原崎監督
1年でのJ1復帰を狙うホームのベガルタ仙台、昨季までのベースをさらに進化させてJ1昇格を目標に公言するアウェーのアルビレックス新潟。開幕節から好カードが組まれた。
スコアは0-0だったが、見どころは多かった。序盤から仕掛けたのは新潟。昨季までの4-2-3-1システムを一歩前に進めたような4-1-2-3の並びで挑んだ。正しいポジションを取りながらじっくりをボールを走らせていくスタイルに、ハイプレス&ショートカウンター、あるいは虚を突くロングフィードを織り交ぜながら、攻め手の幅が広がった。
高宇洋をアンカーに据えて中盤の立ち位置を昨季より前に設定、伊藤涼太郎をインサイドハーフで、イッペイ・シノヅカを左ウイングで起用して、新加入選手の持ち味をうまく組み込んだ。キックオフのすぐあとにイッペイ・シノヅカが左サイドを割り、伊藤涼太郎が仙台の4-4-2のブロックの間でボールを引き出しては、すかさずさばくテンポの良さを見せて、仙台を押し込んだ。
20分過ぎまでは仙台は受け身になったが、こちらも新戦力を多く先発させて新たな魅力を盛り込んだ。センターバックの若狭大志は守備のリーダーとしてハードに守ったし、名倉巧と遠藤康のサイドハーフは技術力が相手の守備のパワーを外す原動力になるところを見せた。FW中山仁斗は裏のスペースに走って相手の守備ラインを押し下げ、中央で相手の注意を引きつけ続けた。
明確なチャンスの数は新潟のほうが多い印象で、鈴木孝司、伊藤、谷口海斗、イッペイ・シノヅカらがたびたびフィニッシュを狙うが、ゴールは割れず。仙台も遠藤やフェリペ・カルドーゾがゴールに迫ってスタンドを沸かせるが、同じくノーゴール。ともにもう一歩を逃した印象ではあったが、まずは勝ち点1を確実に手にする90分となった。
仙台の原崎政人監督は「ホームで勝ち点3が取れず悔しい」と第一声。「テンポが上がらなかったですし、細かいポジショニングもずれていた」と、リズムを持ちきれない内容を反省点に挙げた。今年から新潟を率いる松橋力蔵監督にとっては初陣となったが、「惜しいゲームだった、では足りないと思っています」と、こちらは攻撃の組み立て自体は悪くなかっただけに、シュートに至る最後の精度を高める意欲を示した。