モンテディオ山形は12月22日、愛媛FCからFW藤本佳希が完全移籍で加入することを発表した。強さも速さも兼ね備えるストライカーは、地元のクラブに残るかどうか悩みに悩んだ末に、新しい挑戦を決意した。

上写真=藤本佳希が生まれ故郷のクラブ、愛媛FCを旅立つ(写真◎J.LEAGUE)

「こんなに悩んだのは人生で初めて」

 生まれ育った故郷のクラブ、愛媛FCで背番号10を身につけて戦ったストライカー、藤本佳希が、モンテディオ山形への移籍を決断した。

 2016年にファジアーノ岡山でプロのキャリアをスタートさせると、2年半後に愛媛FCへ。19年に39試合9ゴールと結果を残し、2021シーズンは35試合に出場してキャリアハイとなる10ゴールをマークした。愛媛はJ3に降格したものの、この得点力という魅力で山形がオファーした。

「来季からモンテディオ山形に加入することになりました、藤本佳希です。素晴らしいクラブの一員になれることを嬉しく思います。
 ここでプレーすることを決めたのは、クラブのJ1昇格、その先のJ1定着の力になりたいということと、僕自身が成長したいということです。
 目指しているスタイルが確立されていて、チームに貢献するためには自分自身が更に成長していかないといけないなと思っています。
 モンテディオ山形のファン、サポーター、全ての関係者の皆様に応援していただけるような選手になれるように精進していきます。
 よろしくお願いします」

 昇格とその先をも見据える大きな覚悟を示したが、それは3年半にわたって応援してくれた愛媛のファン・サポーターに送ったメッセージからも読み取れる。

「今シーズンをもって、愛媛FCを離れることになりました。まずは、愛媛FCに関わる全ての皆様、降格という結果になってしまい、本当に申し訳ありません。實好監督に信頼してもらいながらも、期待に応えきれなかったことも悔しいばかりです。
 僕はここで産まれ育ち、愛媛FCに夢を与えてもらいました。その愛するクラブをJ2に残留させることができず、責任を感じています。
 こんなに悩んだのは人生で初めてというぐらい最後の最後まで迷いました。
 誤解してほしくないのは、愛媛は最大限に僕を必要としてくれました。何度も残ってほしいと想いを伝えてくれました。本当に最後まで感謝しかありません。ですが、山形に行くことを自分の意思で決断しました。
 2018年の夏、クラブが苦しい順位にいたにも関わらず、岡山で苦しんでいた僕を必要としてくれて、信頼してくれたことは、一生忘れません。あの時の感謝の気持ちは、今でも思い出すと胸が痛いです。
 選手として自立でき、本当の意味でのプロとしてのキャリアはこの時から始まったような気がします。
 在籍した3年半の間、多くのことを経験させて頂きました。とんでもない失敗もたくさんしてきました。
 それでも僕のことを信頼してくれて、背負わせてくれて、成長させてくれて、愛してくれました。
 その全てに感謝の気持ちでいっぱいです。
 チームメイトにも、スタッフにも、監督にも、会社の人にも、ファン、サポーターの皆さんにも、スポンサーの皆様にも、色んな形でたくさんの迷惑をかけました。
 ですが、どんな時も愛媛FCが勝つためだけに、行動し、全力でやり切りきったので、やり残したことはありません。
 ここで出会えた全ての人達に心から感謝しています。
『愛媛の藤本佳希』として皆さんと一緒に闘えた時間は最高に幸せでした。
 3年半の間、お世話になりました。本当にありがとうございました」

藤本佳希(ふじもと・よしき)
■生年月日:1994年2月3日
■出身地:愛媛県
■身長/体重:178cm/78kg
■ポジション:FW
■利き足:右
■経歴:麻生FC - 久米中 - 済美高 - 明治大 - ファジアーノ岡山 - 愛媛FC
■出場記録
J2:145試合23得点
天皇杯:7試合3得点


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