42節に及ぶ明治安田生命J2リーグも最終盤へ。激しい残留争いは、第41節の結果で松本山雅FC、愛媛FCの2チームが残念ながら降格することが決まった。ギラヴァンツ北九州は19位以下が決まり、J2ライセンスのないJ3のテゲバジャーロ宮崎が2位以内に入るかどうかは最終節まで持ち越しとなったため、19位のチームが残留できるかどうかも最終節で決まることになった。

上写真=松本山雅の選手たちがサポーターにあいさつ。降格が決まってしまった(写真◎J.LEAGUE)

J3宮崎の2位以内確定も持ち越し

 J2とJ3の昇格・降格について、J3のテゲバジャーロ宮崎が2位以内に入るかどうかが大きく関わってくる。宮崎がJ2ライセンス未交付のため、2位に入った場合はJ3からの昇格チームは1チームのみ、J2からの降格チームは3チームとなる。

 J3は15チームと奇数チームで争うため消化試合にばらつきがあり、その宮崎は11月28日の第29節がラストマッチ。ここで勝って、3位のいわてグルージャ盛岡が敗れれば2位以内が決まるところだったが、ともに1-0の勝利となったため決まらず。順位決定は、勝ち点53の宮崎が首位、52の岩手が2位、51の熊本が3位で迎える12月5日の最終節の結果を待つことになった。岩手が沼津とのアウェーゲーム、熊本がホームに岐阜を迎える。

 このため、J2から降格するのが3チームになるか4チームになるかも、最後までわからなくなった。

 今節で19位以下が確定する可能性は、3チームにあった。20位のギラヴァンツ北九州、21位の愛媛FC、22位の松本山雅FCだ。

SC相模原 vs 松本山雅FC

 18位対22位と、残留を争うチーム同士の注目の直接対決。残留争いに関わるゲームの中で唯一、13時キックオフと一足早く始まったゲームは、ともに決めきれずに0-0のまま最終盤までもつれ込んだ。勝たなければ19位以下が確定する松本だったが、90分に児玉駿斗に蹴り込まれてついに先制を許してしまう。アディショナルタイムは6分の表示。まさにその90+6分に左からのセルジーニョのFKが相手に当たってそのままゴールに吸い込まれて、土壇場で同点に追いついた。最後の最後まであきらめずに意地を見せたが、このまま1-1で終了。他会場の結果によって降格が確定した。相模原は勝ち点3は逃したものの、1を積み上げて38へ。しかし、金沢が勝ったために降格圏内の19位に下がった。

水戸ホーリーホック vs 愛媛FC

 先手を取ったのはアウェーの愛媛だ。17分、ゴール中央の20メートルほどのFK。内田健太が左足を振ると、きれいにゴール左へ吸い込まれた。だが、水戸が逆襲に出る。後半開始早々の50分に大崎航詩がペナルティーエリアの中で受けて左足を強振、バーに当たってゴールに飛び込み、同点に追いついた。さらに87分、自陣からのカウンターで左に出た伊藤涼太郎が、ペナルティーエリア内に持ち込んで左足でゴール右に流し込んだ。この結果、愛媛は1-2で敗れて、こちらも他会場の結果から降格が決まってしまった。

ギラヴァンツ北九州 vs 栃木SC

 北九州も今節で19位以下確定の可能性がある中で、アウェーの15位栃木に先制を許してしまう。27分にFKから柳育崇にヘディングでゴールへたたき込まれた。80分にも佐藤祥に追加点を決められると、90+2分に西村恭史が意地の一発を見せた。しかし、反撃もここまでで、栃木に1-2で逃げ切られた。大宮が町田に引き分け、金沢は山形に勝ったため、北九州は19位以下が決定した。栃木はこの勝利で14位に順位を上げて残留を決めた。

 このほか、金沢は山形に鮮やかに勝利を収めた。途中出場の瀬沼優司が大活躍で、79分にカウンターから先制すると、86分に山田康太に決められて一度は追いつかれたが、90+3分にまたも自陣のゴール前からのロングパスで抜け出して持ち込み、落ち着いてGKの上を抜いてゴールに送り込んだ。勝ち点を40まで積み上げて順位も2つアップの17位に浮上した。

 大宮は町田に、群馬は磐田にそれぞれ0-0で切り抜けて、なんとか勝ち点1を獲得。最終節にすべてをかけることになった。山口は、昇格の可能性をわずかながら残す甲府と戦い、0-1で敗れたが、降格圏と勝ち点4差となって、1試合を残して残留を決めている。

 最終節は12月5日。J3で宮崎の順位によってJ2の19位が残留できるかどうか、その19位はどのチームになるのか、あるいは18位以上として安全にフィニッシュできるか。18位以上を狙うことのできる群馬、金沢、大宮、相模原、19位の可能性をわずかながら残す北九州が最後まで激しく争うことになる。

J2残留争い 今後の対戦

順位チーム勝ち点得失差12/5
16群馬41-19大宮
17金沢40-21京都
18大宮39-7群馬
19相模原38-18東京V
20北九州35-27山形
※栃木、山口は残留決定、愛媛、松本は降格決定
※J3最終節で宮崎が2位以上を決めれば、J2の19位は残留

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