2021年11月7日、明治安田生命J2リーグ第38節が開催された。ヤマハスタジアムではともにJ1昇格を狙う1位ジュビロ磐田と2位京都サンガF.C.が対戦。勝ち点2差で激突した首位攻防戦はホームの磐田だが山田大記のゴールで1-0の勝利を収めた。他会場で3位長崎が勝ったため、今節のJ1昇格決定はならなかったが、重要な一戦に勝ち切り、次節で昇格が決まる状況を整えた。

上写真=決勝点を挙げた磐田の山田大記(写真◎J.LEAGUE)

■2021年11月7日 明治安田生命J2リーグ第38節(@ヤマハS/観衆7,469人)
磐田 1-0 京都
得点:(磐)山田大記

・磐田メンバー:GK三浦龍輝、DF山本義道、大井健太郎、伊藤槙人、MF小川大貴(松本昌也)、山本康裕、遠藤保仁(88分:今野泰幸)、鈴木雄斗、山田大記(88分:大津祐樹)、大森晃太郎(69分:金子翔太)、FWルキアン

・京都メンバー:GK清水圭介、DF飯田貴敬(68分:荻原拓也)、ヨルディ・バイス、麻田将吾、白井康介、MF福岡慎平(81分:荒木大吾)、川崎颯太、武田将平、FW宮吉拓実(75分:イスマイラ)、ピーター・ウタカ、松田天馬(81分:庄司悦大)

つないではがす、狙い通り(服部コーチ)

 1位磐田、2位京都が対戦するこの試合には、条件付きながらJ1昇格がかかっていた。磐田が勝利を収め、3位の長崎が引き分け以下なら昇格決定。京都戦に引き分けた場合でも、長崎が負け、4位の甲府が引き分け以下の結果であれば、3年ぶりのJ1復帰が決まる。

 一方の京都も磐田に勝てば首位奪還を果たし、長崎が負け、甲府も引き分け以下の結果なら、この試合で12年ぶりのJ1昇格が決定する。

 そんな重要一戦を迎えるにあたり、両指揮官は同じような言葉を口にしていた。入院中の鈴木政一監督に代わって指揮を執る磐田の服部年宏ヘッドコーチは「いろいろな状況はあるが、勝ち点3を狙うのみ」と語り、京都のチョウ・キジェ監督は「目の前の磐田さんに向かってしっかり戦う」と、あくまでこの一戦に集中すると話した。

 その言葉取り、互いに勝ち点3を狙ってスタートから持ち味を出していく。磐田は安定したポゼッションからルキアンを中心に相手ゴールに迫った。ボールを動かし、ゴールをうかがった。一方の京都も鋭い切り替えから幅を使ってゴールを目指していく。それでも前半はスコアは動かず。迎えた後半に、ホームチームが均衡を破る。決めたのは、ナンバー10だった。

 遠藤の浮き球パスを左サイド深い位置で受けた鈴木雄がダイレクトで中央に折り返す。金子と山田が走り込んだが、シュートを打ち切れず。だが混戦の中で浮いたボールに山田が反応。ヘッドで押し込み、ついにネットを揺らした。

 失点後に京都は攻めの圧力を強めたが、磐田もボックス内で体を張り、ゴールは許さない。アディショナルタイムのイスマイラのヘッドも磐田守備陣が体を寄せて枠には入れさせず。最後まで激しい攻防が繰り広げられたが、次の1点は生まれることなく、磐田が1-0で競り勝った。

「しっかり後ろからつないでということがある程度できて、相手のプレスをはがすことできたのは狙い通り。相手の攻撃は圧があるのでそれをうまく防ぐことができたのは、今日の勝利のポイントかと思います。次節もしっかりと自分たちのサッカーをやって、勝利に結びつけられればと思います」(服部ヘッドコーチ)

 3位の長崎が東京Vに勝ったため、この日J1昇格は決まらなかった。ただ、京都とのシーズン2度目の対戦も勝利を飾り、実力証明。勝ち点差を5に広げて、J2優勝に向けて大きく前進した。これで磐田は3連勝、15戦無敗。次節、13日に試合のある長崎がポイントを落とすか、14日の水戸戦で磐田が勝利すれば、昇格が決まる状況を整えた。


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