上写真＝三戸舜介は強烈なミドルシュートも見舞うなど、常にゴールを狙い続けた（写真◎J.LEAGUE）
■2021年10月9日 明治安田生命J2リーグ第33節（＠デンカS/観衆9,258人）
新潟 1-0 山口
得点者：（新）鈴木孝司
「ちゃんと合わせられて良かったです」
スクランブル発進だった。ベンチスタートの三戸舜介が後半に向けてアップを始めようとしたころに、ピッチの中では本間至恩が倒れていた。相手と激しく競り合うバトルの中で、右足太ももの裏を押さえて交代を要求していた。
43分にピッチへ。
「いまから準備に動き出そうというところで、至恩くんが転んだ瞬間、交代の合図をしていたのでやばいと思いました。いきなりだったので、ビックリしました」
序盤はレノファ山口FCに押し込まれ、飲水タイムでポジションに微調整を加えたのを境に押し戻し、後半へ。そこでひと仕事してみせた。62分、中盤で鈴木孝司がハイボールに競り合って、高木善朗のもとに落とした。鈴木は高木が自分で持ち出すか左の谷口海斗に出すかと読んだというが、高木が選んだのは右サイド。ボールの落ち際を右足のアウトサイドでワンタッチでたたいて送り出す絶妙のパスを、三戸に送った。
「ヨシくん（高木）から背後へのめちゃくちゃいいボールが来て、それがキーパーとディフェンダーの間に落ちました」
飛び出してきたGK関憲太郎より先に触ってかわし、右に抜けた。
「自分がうまくキーパーと入れ替われて、中を見たら（鈴木）孝司さんと（谷口）海斗くんが入ってきていました」
状況を冷静に見極める余裕があった。
「孝司さんがフリーだったので、孝司さんなら決めてくれると思って、そこにちゃんと合わせられて良かったです。自分でもよく落ち着いて見ることができたなと思います」
ていねいにマイナスに折り返すと、鈴木が確実に蹴り込んだ。三戸が決勝ゴールのアシストだ。
ここまで3試合連続で先発を続けていて、この試合はベンチスタートだったが半分以上の時間をプレーしている。存在感が増している。
「でも、まだ点を決められるシーンはあったし、ミスとかいろいろあったので、満足はしたくないと思っています」
72分にはカウンターから再び高木からのパスを呼び込んで強烈に右足のシュートを見舞ったが、残念ながらGK関の正面を突いた。パンチのあるフィニッシュは得意だから、決めきりたかった。
それでも、試合をこなすごとに顔つきが精悍になっていく19歳の伸び盛り。残り9試合へ向けて、ルーキーの勢いがチームの大逆襲を支える。
写真◎J.LEAGUE
