8月22日の明治安田生命J2リーグ第26節で、アルビレックス新潟はSC相模原に2-1で逆転勝利を収めた。先制直後に追いついたのが大きかったが、そのゴールを決めたのが福田晃斗。昨夏に移籍してきて大ケガを乗り越えて決めた「新潟初ゴール」を喜びながら、ゲームコントロールへの意識も見せた。

上写真=福田晃斗がリーグ戦でゴールを決めたのは、鳥栖時代の2017年11月18日以来となった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年8月22日 明治安田生命J2リーグ第26節(@デンカS/観衆8,951人)
新潟 2-1 相模原
得点者:(新)福田晃斗、谷口海斗
    (相)藤本淳吾

「コースを狙ったというよりは浮かさないように」

「アルビレックス新潟の福田晃斗」としての初めてのゴールは、J2第26節SC相模原戦の32分に生まれた。

 29分に先制ゴールを許したすぐあとだった。右サイドで星雄次が高木善朗を壁に使ってワンツーで抜け出し、ふわりとしたクロスを送った。中央で高澤優也がジャンプした上を通過して、ボールが落下したところに谷口海斗。相手に当たってこぼれると、そこに福田がいた。ボールにスピンがかかっていて、バウンドしたときにちょうど福田が踏み込みやすいところへ、まるで誰かがていねいに置いたように、蹴ってくださいと言わんばかりに転がった。

「何人かゴールラインに立っていて、見たときに思い切る蹴るしかないなと。コースを狙ったというよりは浮かさないように蹴っただけです」

 目の前に1人、ゴール前に4人。全部で5人がブロックに入ったが、それをぶち抜いてゴール左にたたき込んだ。

「今週は(アルベルト)監督からの意識づけで、クロスを多く上げたりダイナミックな攻撃を落とし込んでくれました。今日は全体的に大胆な攻撃が多かったと思いますし、僕もその意識を持ってあのプレーにつながったので、練習の成果が出たと思います」

 これで相手に傾きかけた流れを、すぐにもう一度引き戻した功績は大きい。ただ、それ以上に輝いたのは「本職」であるボランチとしてのバランス感覚だ。51分に谷口のゴールで2-1として、そこからのゲームコントロールはとても大事になった。

「2-1になった時点で、ヤン(高宇洋)やゴンサ(ゴンサロ・ゴンザレス、76分に高に代わって出場)にバランスを取ってもらって、僕はボールを引き出したり攻撃で関わろうとしたので、センターにいてくれと伝えました。(センターバックの)千葉(和彦)さんと舞行龍(ジェームズ)と残れば、イージーミスをしたとしても3枚で守ってくれると思いました」

 追加点の可能性を高めるために、ボランチの相棒に背後を任せて守備の安定を担保しながら、攻撃に軸足を踏み出した。ただ、残念ながらゴールはなし。相模原が交代策をうまく使って攻撃的にシフトしてくると、今度は残り時間と試合状況を見ながら守備への比重を高めたという。

「最低でも後ろの4枚と中盤2枚が守備の意識を7割、8割ぐらい頭に入れておくことで、失点はしないだろうなと思いました。バランスを見ながら、こっちは4、5人で攻められるので、僕も比重を後ろに持ちつつ、出られるときに出るという感覚でいました」

 後ろが6人、前が4人。福田のバランス次第で前を5人、後ろも5人に調整しつつ、巧みに試合をコントロール、2-1のまま着地させることができた。

「チームが勝てたことが何よりで、自分というよりチームの勝ちが大事なので達成できてよかったです」

 再開初戦の大宮アルディージャ戦ではアディショナルタイムに勝ち越しながら、1分後に同点とされて悔しさばかりが残った。その反省をしっかり生かした白星。新潟初得点が4試合ぶりの勝利につながって、充実感がみなぎった。


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