上写真=赤嶺真吾が78分に右CKをヘッドで流し込んで、一時は勝ち越しとなるゴールを決めた(写真◎J.LEAGUE)
■2021年7月18日 明治安田生命J2リーグ第23節(@NACK/観衆4,567人)
大宮 2-2 琉球
得点者:(大)イバ、黒川淳史
(琉)上原慎也、赤嶺真吾
「誰が出てもみんなの良さ出せるように」
FC琉球のベテランFWが、ひと仕事やってのけた。
J2第23節大宮アルディージャ戦で1-0でリードしていた後半開始から、赤嶺真吾がピッチに送り込まれた。もちろん、期待はゴールだ。しかも、ピッチに入ってたったの5分でPKから同点に追いつかれてしまって、ますますその得点が求められていた。
そんな78分のことだった。茂木駿佑の右からのCKが大きな弧を描いてファーサイドに落ちてくる。下がりながら落下地点に入るとヘディングシュート、これがゴール右に飛び込む勝ち越しゴールになった。
「バックステップしながらのヘディングでしたが、うまくインパクトして逆サイドに持っていけました」
ところがこのわずか1分後に、ミスから同点ゴールを奪われてしまった。
「得点の直後だったので、相手も前がかりになってきたと思います。その裏を狙うとか、もう少しゲームの展開や流れを全体で反省しながら次に生かせたらと思います」
これで勢いづいた大宮が押せ押せになって、一気にオープンな展開になって押し込まれる場面が続いたが、それでもなんとかしのいでアウェーゲームをドローに持ち込むことができた。
ケガ人が多く、苦しい台所事情が続く中でのゲームだったから、勝ち点1は悪くはない。
「ケガ人が出るのはチームとして痛いし残念ですが、でも代わりに出る選手が結果を求めて個人個人でやっていると思うので、いい競争が生まれるように日々取り組んでいます」
この日もわずか36分で上里一将が左ひざを痛めて風間宏希に代わっている。
「(上里は)ゲームコントロールの良さがある選手だと思いますし、その点ではマイボールの時間が少なくなりましたけど、トミ(富所悠)と宏希の良さもありますし、落ち着いてピッチ上で話しながら展開できました。誰が出てもみんなの良さ出せるようにとは思っています」
赤嶺自身は今季は先発出場がまだないが、ベンチから外れたのも3試合だけ。37歳のベテランの妙味で、途中からピッチに出て流れを変えたり、あるいはゲームを締めたりする役割を実直に果たしている。
それだけ樋口靖洋監督の信頼を得ているからだが、この日は後半の最初からピッチに入ったため今季最長のプレータイムを記録した。そこでしっかりと結果を残した好感触を大事にしながら、中断期間を経て後半のステップアップにつなげていく。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE