上写真=56分にピッチに入った山田将之。今季2試合目の登場となった(写真◎J.LEAGUE)
■2021年5月29日 明治安田生命J2リーグ第16節(@NACK/観衆4,351人)
大宮 0-2 千葉
得点:(千)見木友哉、サウダーニャ
「少ない時間でも結果を残さないと上のレベルに行けない」
2点を先行された大宮アルディージャは、手をこまねいているわけではなかった。
ジェフユナイテッド千葉をホームに迎えたJ2第16節で、40分と52分にゴールを奪われたが、その直後の56分に佐々木則夫監督は3人を同時に交代させた。岩瀬健監督解任で暫定的に指揮を執ることになって初めてのゲームで振るった、最初の交代策だ。
ピッチに送り込まれたのは長身FWのイバ、ドリブラーのMF柴山昌也、そして右サイドバックに入った山田将之である。佐々木監督は山田を起用した意図をこう明かす。
「コーナーキックやロングスローがあるので、山田を右に配置しました。プランの中にあった、負けていたら高さのある選手を積極的に使おう、というメンバー交代でした」
イバは190センチの長身だし、山田も186センチでセットプレーのターゲットして有効だった。山田も監督の狙いを遂行しようと狙っていた。
「セットプレーでの高さや守備でタイトにいってから攻撃に素早く転じる部分、あとは前線に高い選手がいるのでクロスをどんどん供給する狙いがあって入りました」
監督が交代することになって危機感はあったが、「やることははっきりしていましたし、監督が求めていることはみんな分かっていました」と逆に整理された部分もある。山田にとってみればそれが、途中交代でのクロスの供給であり、セットプレーでのターゲットとしての役割だった。
「個人のことで言えば、少ない時間でも結果を残さないと上のレベルに行けないので、反省してしっかり次に向けてやっていきたいと思います」
これが今季はまだ2試合目の出場で、ピッチに立った貴重なチャンスだったが、結果を残せなかったことを悔やむ。
「僕もそうですけど、とにかく結果です。どれだけ突き詰めて、今日の試合ならクロスを上げてアシストするとかヘディングで点を取るとか、一人ひとりが結果を求めて練習に取り組むかだと思います。気持ちの部分は当たり前ですし、スキルの部分で相手を上回っていかないと、いくら気持ちが強くても結果はついてこないので、両方突き詰めていきたい」
気持ちだけでは勝てないし、スキルだけでも勝てない。まるで暗示的な山田の実感が、これからの大宮を変えていくのかもしれない。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE