待望の移籍後初ゴールだ。アルビレックス新潟の新戦力、谷口海斗がついにJ2初ゴールをマークした。4月22日の明治安田生命J2リーグ第10節愛媛FC戦でヘッドで決めた記念の一発。これまでチャンスを逃し続けただけに、「ホッとしました」の言葉を何度も繰り返して、笑顔で振り返った。

上写真=谷口海斗の初ゴールは12分のこと。そこまでの組み立ても新潟らしく素晴らしいものだった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月24日 明治安田生命J2リーグ第10節(@ニンスタ/観衆1,491人)
愛媛 0-2 新潟
得点:(新)谷口海斗、本間至恩

「早めに決めろよ」とアルベルト監督もジョークでいじる

「ホッとしました」の言葉を、何度繰り返しただろうか。それだけ、ゴールへの思いは強かった。

 アルビレックス新潟のFW谷口海斗が、今季初ゴールを愛媛FCから決めたのは12分のこと。右からの星雄次のセンタリングをニアで頭で押し込んだ一発。昨季はJ3のロアッソ熊本で18ゴールを挙げて得点王に輝いたストライカーが、出場10試合目、先発では3試合連続出場となる一戦でようやくつかんだ移籍後初、そしてJ2初ゴールだった。

「チームのやり方で動かして、いい形で雄次くんから来て、頭に当たって入ってよかったです。雄次くんとは話しながらやっていたので、あそこにいいボールが来て枠に入ってくれてよかった」

 確かに組み立てから新潟らしい、鮮やかなボール回しだった。

 左サイドバックの堀米悠斗が左から斜めに中に向かってダッシュしていくと、その向こう側で左サイドハーフの本間至恩がフリーになった。これを見逃さなかった右センターバックの早川史哉がロングパスを飛ばすと、受けた本間はカットインしてから、右裏に走った右サイドハーフの星へ。ギリギリで追いついて中に入れたときには右サイドバックの藤原奏哉がニアに突っ込んできていて、ヘディングシュートを狙うが届かず、しかしこれがうまくダミーになって、もう一人、ニアサイドで待っていた谷口がヘッドで押し込んだのだ。少なくとも6人が関与した連動性のたまものだ。

 谷口は3試合連続の先発となったが、ここまではビッグチャンスを逃し続けて苦しんだ。

「1本ほしいなというのは正直あったんですけど、チームメートや周りの方から力を抜いてリラックスしていこうと言われていたので、とりあえず1本決めたいなと思っていて、正直ホッとしています」

 心底、安心した表情だった。アルベルト監督からも冗談交じりで「1本入れば大丈夫、早めに決めろよ」と言われたそうだが、何より自分のゴールで「勝利に貢献できたのでうれしいです」と明かして、10戦負けなしという好調のチームの一員になった実感をかみ締めるようだった。

「最初からチームの中に入ってプレーしてきて、慣れというか入りやすさは、1試合1試合積み重ねてきてやりやすくなってきたというのはありました」

「目が合う回数も増えてきたし、話し合いがあって僕の特徴を出せるようにやってもらえていたので、タイミングが合うようになってきたのかなと思います」

 時間はかかったが、小さな積み重ねがあったからこそ少しずつかみ合って、ついに貴重な先制ゴールにたどりついた。

「続けて取れるようにがんばります」

 そう誓って、再び笑顔を見せた。本間至恩のゴールも飛び出して2-0で勝ちきった勢いを、次節のホームでのジェフユナイテッド千葉戦にぶつけていく。11戦負けなしの記録更新を、自らの2試合連続ゴールで、そしてもちろん勝利で飾りたい。


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