J1昇格を目指す大宮アルディージャの新戦力、中野誠也に注目だ。ジュビロ磐田から覚悟を持って加入した。自らの成長を期し、チームのJ1昇格を誓う。すでに新天地で何をすべきかを整理し、開幕に向けて準備を進めている。

上写真=移籍について大きな決断だったと話した中野誠也。2021年を勝負の年と位置付けている(写真提供◎大宮アルディージャ)

結果を出さないといけないシーズン

 中野誠也は2021年、慣れ親しんだサックスブルーではなく、オレンジのユニフォームを着ることに決めた。2019年にファジアーノ岡山に期限付きで移籍していたが、今回は完全移籍だ。

「自分の特長を本当に分かっていただいて、そこを求められたのは大きかった。自分の中で勝負する価値があるというか、勝負してみたいと思ったので、この決断に至りました」

 磐田のアカデミーから筑波大を経て、『再び』磐田に入団。大学時代にさらに注目を浴びる存在となったが、プロキャリアのスタートはやっぱり地元のクラブだった。

 だが、新シーズンからは、新天地でプレーすることに決めた。そこには並々ならぬ思いがある。

「ものすごく大きな決断でした。中学、高校を磐田で過ごしていましたし、地元もそちらで磐田の試合を見てきました。ただ一つ、自分の成長を求めたときに、この(磐田を)出るという決断が、自分の中では残るという決断よりも勝負する価値があると」

 岡山でコンスタントに出場し、磐田に復帰した昨シーズンも、33試合に出場。8ゴールを記録した。順調にキャリアを重ねていると映るが、本人にとっては順調ではなかったのかもしれない。もっと早くもっと目指す高みへの思いが、新たな扉を開かせた。

「まずはチームとしてJ1に上がることが大事ですし、それに加えて個人としても結果を出さないといけないシーズンだと思っています。そこに尽きるんですけど、だからこそ、1日1日を大事にというか、キャンプまでも大事だし、キャンプも大事だし。そういう思いで日々やっています」

 J1昇格を争うライバルチームに移籍した事実にも、覚悟の大きさを感じる。だからこそ「結果を出さないといけない」と己にベクトルを向ける。

「得点する、アシストするというのはこだわっていく部分ですが、自分が空けたスペースからゴールが生まれるだとか、チャンスが生まれるというのも、自分の役割だとずっと思っているところです。そういう形でも点につながればいいし、貢献できればと思っています」

「自分は自分でどうこうするというタイプよりかは、使ってもらう側。自分の特長を理解してもらうこと、仲間の特長を理解して自分がどう動くかを突き詰めていかないと。開幕までに、まずはどれだけそこを突き詰められるか。もちろんシーズンを通して、積み上げていく部分でもありますけど、開幕までどこまでできるか、考えています」

 開幕から大宮に欠かせない中野誠也としてピッチに立つーー。そんな強い思いが今、オレンジの27番を突き動かしている。


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