東京ヴェルディが新体制発表を行なった。昨年末にクラブの混乱が明るみとなり、ゼビオHDが連結子会社化。経営陣が刷新され、文字通りクラブも新体制で新シーズンに臨む。中村考昭代表取締役、永井秀樹監督がそれぞれの立場から意気込みを語った。

上写真=11人の新加入選手も登場。それぞれ意気込みを語った(写真提供◎TOKYO VERDY)

プレーヤーとともに存在したい

 チームの新体制発表に先立ち、第1部として事業ビジョン発表が行なわれた。登壇した中村考昭代表取締役社長が、まず挨拶を行なった。

「昨年は大変な混乱の中でシーズンが終了しました。その過程において、ヴェルディは大変大きな経営危機を迎えました。ヴェルディの会社の株式が、100倍規模で新しく発行される懸念があり、さらにその株式を誰が取得するのかが、不明瞭、不透明なまま、役員会議で売却可能な状況になるという危険がございました。ただ、その危機は過ぎ去り、経営は安定化し、盤石化しました。本日、こういう形で新しくシーズンを無事に迎えることができています。
 その過程において、改めてヴェルディは、われわれは何者なのか。どういうクラブであるべきなのか。また何を目指しているのか。真正面から改めてとらえ直す機会となりました。

 やはりわれわれは、まず何よりもウィズプレーヤー。プレーヤーとともに存在したいと思っています。一緒に歩み、一緒に成長していき、選手もクラブも共に成長していく、そういうクラブでありたいと思っています。そのためにプレー環境の整備、プレーに集中できる環境を作っていきたいと思っています。契約であったり、そういうこともあるのですが、指導や強化、育成の体制、プレーに集中しやすい、指揮がとりやすい、それぞれの役割の中で、その仕事を全うできるプレー環境にしていきたいと思っています」

 昨年12月、ファン・サポーターにも動揺が広がったクラブ内の混乱や経営陣の刷新について、中村社長は改めて説明した。コロナ禍で一時は厳しい状態に陥ったものの、「経営は安定化し、盤石化した」と強調。そして「何よりもまず、プレーヤーとともに存在したい」との考えのもとで今後もクラブを経営し、発展させていくとした。

 第2部では2021年シーズンに臨む新メンバーが紹介された。登場したのは11名。永井秀樹監督は「ヴェルディのためにいい選手が来てくれて、非常にうれしい」とコメントした。育成に力を入れてきたクラブは、その象徴たる選手を今オフも手放すことになった。井上潮音や藤田譲瑠チマらアカデミー育ちの主力を放出したが、指揮官は「二人はわれわれが育て作ってきた選手なので、個人的な思いを含めて今シーズンも一緒に戦いたかった。ただ、彼らは1人のサッカー選手であり、彼ら自身が思い描くサッカー人生もある。彼ら二人がいなくなったということは、また新しい選手が出てくると思っています。痛いと言えば痛いですけど、痛くないと言えば痛くない。今さら言うまでもなく、われわれはどんな状況に置かれようとも、今はJ2ですが、目指すべきところは一番上です。そのために日々努力をしていく」と新体制で臨む2021年シーズンへの思いを語った。

 以下は、この日の発表会見に参加した新加入選手の決意表明だ。


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