「アンス・ファティも喜んで来てくれるのではないでしょうか」
その上で2021年のテーマに掲げたのが、「リスペクト」だ。
「重要なのは、サポーターの皆さんがこのクラブが日本のサッカー界で重要だということを実感できるシーズンにすることです。昨シーズンは相手のサポーターも私たちをリスペクトしてくれる流れになりました。これまでと違うアルビレックスの姿を表現したからだと思います。今シーズンもその流れを継続していきたいと思います。重要なクラブであることをピッチで表現し続けたいですし、それがしっかりと達成できたらアンス・ファティ(バルセロナ)を連れてきたいと思います。年俸交渉に応じてくれることでしょう。新潟のおいしいお米と魚を積めば、アンス・ファティも喜んで来てくれるのではないでしょうか」
そんなふうにまたも笑わせたが、会見の時点で外国人選手がMFゴンサロ・ゴンザレス1人しか登録されていないことについては、自身の意向だと説明した。
「なぜなら、このJ2というカテゴリーで展開されているサッカーは特殊だからです。大きな差があるがゆえに、海外から来る外国人選手が日本のサッカーにもJ2のサッカーにも適応するのに時間がかかるのです。2〜3年は必要なのではないかと思いますし、決して外国人選手を獲得したくないわけではありませんが、適応能力のある日本人、あるいはすでに適応している外国人選手に興味があったのです。その部分で寺川(能人)強化部長と話を進めて、日本人という枠組み、すでに適応した選手で編成しようとしています」
監督を支えるコーチングスタッフも重要だ。昨季、右腕となったオスカル・エルナンデス氏はアルゼンチン代表のプロジェクトに関わることになって退団、代わって横浜F・マリノスから松橋力蔵コーチと、まだ名前は明かせないとしながらもアルベルト監督は「私がよく知るコーチをスペインから連れてくる」としている。テクニカルコーチとして池澤波空(なみと)氏の就任も決まった。
「リキ(松橋コーチ)の加入をとてもうれしく思っています。日本サッカー界での経験は素晴らしいと聞いています。多くのものを提供してくれると思っていますし、それを私も生かさなければなりません」
「今シーズン正式にスタッフと加入した波空の加入もうれしい。昨季はインターンとして加わっていて、素晴らしい仕事を提供してくれるのはすでに見てきました」
「新たに加わる予定のスペイン人コーチには当然、全幅の信頼を寄せています。直接、知っている人物で、素晴らしいレベルの持ち主です。彼の加入は多くのプラスになると信じて疑いません」
そのスペイン人コーチは入国制限の問題などがクリアになった時点で、発表するとしている。
ユーモアにあふれる言葉の数々は、シーズンの明るい幕開けに対する期待の表れでもある。「このサッカーがしたい」と続々と集まった新加入選手と、そのサッカーを表現してきた昨年からの選手たちとともに、どんなシーズンが待っているのだろうか。