ジュビロ磐田は17日、オンラインで2021年の新体制発表会見を行なった。5名の新加入選手が抱負を語るとともに、クラブとして2021年シーズンは必ずJ1昇格と成し遂げると決意を表明した。

上写真=左から鈴木雄斗、鹿沼直生、鈴木政一監督、加藤智陽、大津祐樹(写真提供◎ジュビロ磐田)

集結せよ、勝利のために!

 今年は必ずJ1復帰するーー。新体制発表の冒頭、小野勝代表取締役社長は昨季、J1に昇格できなかったことを謝罪し、そして新シーズンの目標として改めてJ1昇格を掲げた。その思いは2021年のスローガン「UNITE FOR WIN~集結せよ、勝利のために!」にも込められている。

「選手、チームスタッフ、フロントスタッフ、サポーター、スポンサーの皆様、地域の皆様、ジュビロを愛するすべての皆様のパワーを集結させ、ナンバー1でのJ1昇格を達成する」という意味がある。勝利のために、一人ひとりが自身の行動が「FOR WIN」につながっているか。そのことを常に考えて戦っていくと小野社長は話した。

 新シーズンの陣容については、会見に鈴木秀人強化部長が説明。「今年の強化のポイントは、昨年のチームをベースとして、特に攻撃のところでチームにプラスであったり、オプションが増えるようにと考えて補強しました。即戦力と、将来性のある選手を獲得し、納得のいく補強ができました」と説明。また、鈴木政一監督も「ラストパスやフィニッシュの精度、得点力というところで期待させるような選手を補強しました。明日からトレーニングが始まりますが、より質の高い組織力のある、チーム力のあるチームにどう持って行くか、選手の組み合わせも含めて準備をしていきます。現段階では不安よりも楽しみを持った中でスタートできる。非常に感謝しております」と、目標達成に向けて十分な陣容が整ったと強調した。

 ただ、小野社長によれば、現在も外国籍選手と交渉を進めており、さらに選手を加入する可能性があるとのこと。コロナ禍にあり、昨季はクラブとして減収となったが、J1昇格という目標を達成すべく、シーズン開幕までにさらに補強を進めていくと説明した。

新加入の5選手が決意表明

 今回の新体制発表会見には、大津祐樹、鈴木雄斗、鹿沼直生、加藤智陽の4名と、森岡陸がリモートで参加。新加入の5選手がそれぞれ決意を語った。

 まず、横浜F・マリノスから加わった大津祐樹は、今回の移籍はチャレンジだと語った。

「僕自身3年間、マリノスでプレーしたのですが、愛着のあるクラブで、その大好きなクラブからジュビロに来ることは僕自身の中で挑戦でした。その挑戦、必ず達成したいことはJ1に昇格することです。チームとしても、この目標に向かって頑張れるように、チームの組織としてしっかりと戦って、サポーター、クラブ、選手、みんなの力でJ1に行けるように、それだけを考えてプレーしたいと思います。チームのために貢献するプレーと、ハードワーク、そしてドリブルやゴールに直結する動きを見てもらえれば」

 経験豊富なアタッカーは、J1昇格にチャレンジすることが自分のモチベーションだと語った。続いて力強く抱負を語ったのは、鈴木雄斗だ。昨季、川崎フロンターレから松本山雅FCに期限付き移籍し、磐田と対戦した試合ではゴールを決めている(10節/8月8日)。

「チームがJ1に昇格するために、自分が持っている力を還元し、強いチームを作ることができるように自分自身もやっていきたいと思います。ストロングポイントは、自分自身、色々なポジションで今までプレーしてきたので、色々なサッカーにフィットできる自信はあります。それから大津選手も言っていましたが、チームのためにハードワークをすること。そこを一番大事にしているので、しっかり出していけたら。昨年、2度磐田と対戦して、最初にヤマハで試合をしたときは、かなりボールも握られて、個人のところでやられた。非常にやりにくい印象がありました。2度目はヤットさん(遠藤保仁)が入って初めての試合だったので、まだ完成されてなかったと思いますが、試合を支配されました。監督が求めるサッカーに自分がフィットしていけたらと思っています」

  SC相模原から完全移籍で加入した鹿沼直生は、昨季は大学ルーキーながらクラブのJ2初昇格に貢献したボランチだ。静岡学園出身で、磐田は憧れのチームだったという。

「J1昇格にピッチの上で貢献できるよう、日々の練習から頑張っていきますので応援よろしくお願いします。自分の特徴は、ボール奪取と運動量。そこだけは誰にも負けないように頑張っていきたいと思っています。静岡県全体がサッカーに対する愛着が強い県だと思いますし、ジュビロへの注目度も高いと思っていました。そういうチームに入れるというのはすごくうれしく思っています」

 加藤智陽は、今回加入する選手の中でも、否、サッカー選手としても異色の経歴の持ち主だろう。就職先が内定しながら、サッカーの道をあきらめきれず、自分でプレーの映像を編集し、海外のクラブでプレーする道を切りひらいた。オーストラリアへ渡り、昨季はフィンランドのACカヤーニでプレー。そして昨年の練習参加から磐田移籍を勝ち取った。

「伝統あるクラブに加入できることにとてもワクワクしています。J1昇格のため、数多くの勝利を届けられるように尽力していきますので、よろしくお願いします。自分のストロングポイントは、アジリティと運動量。そこをゴールや数多くの勝利につなげられるように努力していきます」

 左サイドハーフや左サイドバックを主戦場とする加藤は、鹿沼の専修大時代の1年先輩。同じタイミングで磐田のユニフォームに袖を通すことになった。

 法政大での試合を控えているために、リモートでの参加になった森岡陸は、ジュビロのアカデミー育ちで、ヤマハスタジアムのそばに住んでいた。

「J1昇格のために全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。自分のストロングは、ボール奪取力と柔軟性を生かしたプレーです。大学ではプレー強度が高い中でそういった部分を出していたので、ジュビロでもしっかり発揮していけたらと思っています」

 トップチームに上がれず、大学に進学することになった森岡だったが、悔しさをバネに大学で大きく成長し、たくましさを増して帰還した。

 今年の補強について「120点です」と話す鈴木強化部長は、「ポジションのバランスや年齢バランスがいい。個々に特徴があってチームにフィットすると思っています。新しく獲得した選手がチームのためにハードワークする意識が高いところも、満足しているところです」と、新加入選手たちに期待を寄せた。

 この日参加がかなわなかったコロンビア人FWファビアン・ゴンザレスは、新型コロナウイルス感染症対策で政府による入国制限があるために、現時点で合流日は未定。ただ、「可能なったらすぐに来日できるように」(鈴木強化部長)、クラブは準備を進めていくとした。

 磐田のレジェンドである中山雅史もコーチとして戻ってきた2021年のジュビロ。『ナンバー1昇格』を目指し、今日18日から始動する。

2021年の選手リスト

No.Pos.名前生年月日身長/体重前所属
1GK八田 直樹86.06.24185/76ジュビロ磐田ユース
2MF今野 泰幸83.01.25178/73ガンバ大阪
3DF大井 健太郎84.05.14181/74アルビレックス新潟
4FW大津 祐樹90.03.24180/73横浜F・マリノス
5DF小川 大貴91.10.16172/73明治大学
8MF大森 晃太郎92.04.28170/70FC東京
9FW小川 航基97.08.08186/78水戸ホーリーホック
10MF山田 大記88.12.27174/67カールスルーエSC(ドイツ)
11FWルキアン91.09.21183/77チョンブリFC(タイ)
13MF藤川 虎太朗98.07.24172/65東福岡高校
14MF松本 昌也95.01.25175/69大分トリニータ
15MF伊藤 洋輝99.05.12188/81名古屋グランパス
17MF鈴木 雄斗93.12.07182/76松本山雅FC
19FW三木 直土01.05.08172/65ジュビロ磐田U-18
21GK杉本 大地93.07.15187/83横浜F・マリノス
22DF中川 創99.06.01184/79SC相模原
23MF山本 康裕89.10.29179/77アルビレックス新潟
25DF森岡 陸98.11.20181/71法政大学
27FW吉長 真優02.03.20174/65成立学園高校
28MF鹿沼 直生97.12.07174/73SC相模原
29FWファビアン・ゴンザレス92.11.23187/80アトレティコ・ナシオナル(コロンビア)
30MF清田 奈央弥01.08.25174/69ジュビロ磐田U-18
35DF鈴木 海音02.08.25182/72ジュビロ磐田U-18
36GK三浦 龍輝92.05.17181/74AC長野パルセイロ
38DF山本 義道95.07.25185/75横浜F・マリノス
41DF加藤 智陽96.04.11174/70ACカヤーニ(フィンランド)
44DF大武 峻92.11.24189/86アルビレックス新潟
50MF遠藤 保仁80.01.28178/75ガンバ大阪

※2021年1月17日時点


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