上写真=矢島輝一は2020年シーズンの湘南戦でその持ち味を発揮して勝利に貢献した(写真◎Getty Images)
「矢島輝一 第一章 完」
FC東京から大宮アルディージャに移籍するのは、FW矢島輝一。187センチの長身を生かしたポストプレーと労を惜しまず走り回る献身性で、チームの基盤を支えてきた。
2020年シーズンはJ1リーグでわずか3試合、54分の出場にとどまったのだが、出色だったのは10月4日の第20節湘南ベルマーレ戦。ルヴァンカップ準決勝を3日後にを控えた過密日程の関係から試合出場の少ない選手が多くプレーする中で、61分に登場すると、一気に攻勢に持ち込んで1-0の勝利に大きく貢献した。
この試合後には、長谷川健太監督が「矢島が起点を作ってくれて変わりました。本当にいい仕事をしてくれた。途中から出た矢島が本当にゲームの流れを変えてくれました。選手会長なのに試合に出られない悔しさを、30分ほどに凝縮して出してくれました」と名指しで絶賛したほど。まさにその高い集中力とあきらめないメンタルが魅力で、それは大宮でも大いに生かされるはずだ。
FC東京のアカデミー出身で、12年の長きに渡って青赤のユニフォームをまとって戦ってきただけに、残したメッセージは心を揺さぶる。
「愛する青赤ファミリーのみなさんへ。この度大宮アルディージャへ完全移籍する事になりました。
僕はFC東京に出会い、夢を持ち、そこからの毎日が楽しくて楽しくて、このクラブが生きる意味を与えてくれました。そんな僕の1つの目標はFC東京のエンブレムをつけ、活躍し続けることでした。
今シーズンは特に総力戦で戦う中、試合に絡めない日々を過ごしているうちに、俺はこのままでいいのか、このままチームにいる事が東京にとっても俺にとってもプラスになるのかを考えるようになりました。ちょうどそのタイミングでオファーを頂き、沢山悩んだ結果、 移籍する事にしました。
ふと、 ある先輩の言葉が浮かびました。
"FC東京loverである前にfootballer であれ"
僕はFC東京と同じくらい、 footballを愛しています。 そんな大好きなサッカーでテッペンを取れるように頑張ります!
間違いなく今の自分があるのはFC東京のお陰です。何処に行っても青赤に育ててもらった感謝の気持ちは変わりません。そしてここからが矢島輝一第二章の始まりだと思っています。大宮アルディージャの男として誰よりも輝き放ってきます。
スクールに入った5年生からの8年、特別指定1年、プロとして3年、FC東京で出会った指導者のみなさん、フロントスタッフのみなさん、本当にお世話になりました。
そしてファン・サポーターのみなさんからの愛情が満ち溢れたお声掛けや後押しは本当にうれしかったです。 今後も強い覚悟で頑張っていきます。
本当にありがとうございました。
矢島輝一 第一章 完」
そして、第二章を綴り始めた「大宮の男」は、アルディージャのファン・サポーターにあいさつした。
「大宮アルディージャでプレーすることになりました。矢島輝一です。皆さんの期待に、姿勢とプレー、そして結果で応えられるよう精進していきます。よろしくお願いします!」
矢島輝一(やじま・きいち)
■ポジション:FW
■生年月日:1995年4月6日
■身長/体重:187cm/82kg
■出身地:東京都八王子市