「昇格にふさわしい活躍をしてくれました」
徳島ヴォルティスとアビスパ福岡が一緒に昇格だ! J2第41節で首位の徳島ヴォルティスが大宮アルディージャに今季ホーム最終戦で1-0で勝利を収め、J1へのきっぷを手にした。アビスパ福岡は愛媛FCとアウェーで対戦し、こちらは2-0で勝利。3位のV・ファーレン長崎がヴァンフォーレ甲府を相手に先制しながらも追いつかれて1-1で引き分けたため、福岡の昇格も同時に決定した。
まずスコアを動かしたのは福岡。序盤からハイプレスが効いてリズムをつかむと、19分に右CKを獲得。エミル・サロモンソンがニアに送り、上島拓巳がうまくヘッドで流すと、ファーサイドで山岸祐也が押し込んで、福岡が幸先よく先制した。
徳島はリカルド・ロドリゲス監督が仕込んできたパスサッカーで、キックオフから危なげなく主導権を握り続けた。すると21分、浜下瑛の右からのクロスを垣田裕暉が得意のヘッドでゴール右に流し込み、先制。
長崎も負けてはいない。24分に玉田圭司からのパスを受けたカイオ・セザールが豪快なミドルシュートを突き刺して先制し、昇格を狙うすべてのチームがリードした。
福岡にとって大きかったのが45+1分。GKセランテスのロングキックをフアンマ・デルガドがヘッドで落とすと、遠野大弥が相手の頭上を抜く巧みなテクニックからショートバウンドのボールを左足で叩いてゴール右に突き刺した。
徳島もチャンスを作りつつもゴールはなかったが、ボールをしっかり持ちながら大きなピンチはなし。福岡も愛媛の逆襲に冷静に対応してきっちり守りきった。一方で、長崎が67分に失点して同点に追いつかれた。
徳島はこのまま1-0で逃げ切って、この時点で昇格が決定。福岡は2-0で試合を終えたあとに長崎の結果を待って、引き分けに終わったため満を持して昇格を決めた。3チームによる大混戦は、こうして徳島と福岡のJ1行きでひとまず決着を見た。
徳島のリカルド・ロドリゲス監督は「難しい試合になるのは分かっていたが、みんな自信を持っていました。彼らの力でものにできました。ここ数試合、足踏みしましたが、今日はみんなで戦ってくれて2点目を取りそうなところまでいけて、最後はしっかり締めて昇格にふさわしい活躍をしてくれました」と歓喜を言葉にした。
いつもはクールな福岡の長谷部茂利監督も、相好を崩して昇格を喜んだ。「無失点、複数得点で勝てました。相手はうまかったですし、何度も崩されそうになりましたが無失点で良かったです。これまでファン・サポーターの皆様に支えられて選手はよく走ってくれました。全員でつかんだ昇格だと思います」
徳島と福岡は最終節で直接対決。優勝をかけて戦う。