上写真=磐田戦に向けてトレーニングする田口泰士(写真◎JEF UNITED)
対ヤットさんがキーポイントになる
オンライン取材に応じた田口は、現在のチーム状態についてポジティブな印象を口にした。前節のレノファ山口戦を振り返る中で「試合の入りがよかったですし、自分たちの時間も多かったと思います。ただ、そこで1点でも決められると、また展開が楽になったのかなと。それでも先制することができて、そこで失点しないでチームとして守れたのは大きかった」と指摘。
「ああいうところで失点を食らってしまうと苦しくなるんですけど、そこから追加点を奪えるようになってきているというのは、自信の表れ。気持ちのところで変化してきた選手が多いんじゃないかなと思います」
追い付かれても突き放せたことに、チームの成長を感じていた。とりわけ、チーム全体の問題としてミスを怖れて消極的なプレーが散見した攻撃面の変化を実感している。
「僕自身、もっと相手の深いエリアに進入していって攻撃の厚みを増したいという考えを個人的ですが持っていました。前節はチーム全体の守備だったり、ボールの追い方だったりがうまくいっていたので、あとはボールを奪ったときに、なるべく僕を経由してほしいという要求をしていた。そうやって1回ボールを落ち着かせて、意図的にボールを回せているときは僕自身も前に進入しやすい状況になっている。そういうシーンがここ最近では一番多かったかなと思います」
確かに、山口戦は前に絡んでいく田口の姿を見ることができた試合だった。攻撃面でつかんだ手応えを継続し、チームのベースとできるかどうか。次は、ホームで磐田と対戦する。
「前回、アウェーでやったときと監督も変わっているし、やるサッカーも変わっているので、まったく同じ相手だとは思っていないです(12節・〇2-1)。ヤットさん(遠藤保仁)も加入して、ボールを大事にして、やるスタイルは変わらないけど、やり方が変わっている。能力が高い選手が多いので、スカウティングをして、自分たちも今は球際だったり、チーム全体でしっかり守備してから攻撃というのができているので自信を持って、色んな部分で相手を上回っていきたい」
田口の指摘通り、指揮官が鈴木政一監督に代わり、遠藤が加わったことで磐田は変化した。遠藤封じは現在の対磐田の一つのポイントだが…。
「素晴らしい選手なんで、こっちがどうこう対策したところで、そこは簡単に抑えられるとは思わない。僕たちの対処法に対しても頭を使ってやってくる選手だと思うので、なるべく自由にさせないのが大事。ちょっと意識的に前からプレッシャーにいったり、やっぱりあそこがキーポイントだと思うので、試合をやりながらこうしたほうがいいなというところを早く見つけて、戦いたいと思います」
古巣との対戦に気合も入る。遅まきながらも、チームに芽生えつつある自信をより大きくするために、田口は連勝実現へ全力を尽くす。