J2リーグ第26節、清水エスパルス対ジェフユナイテッド千葉が国立競技場で行われた。Jリーグ30周年にJ2の舞台で実現したオリジナル10対決は大観衆が見守ることになったが、互いに譲らず2−2で決着。勝ち点1を分け合うことになった。

上写真=清水と千葉の試合は勝ち点1を分け合うことになった(写真◎J .LEAGUE)

■2023年7月16日 明治安田生命J2リーグ第26節(@国立競技場/観衆47,628人)
清水 2−2 千葉
得点:(清)神谷優太、ベンジャミン・コロリ
   (千)見木友哉、小森飛絢

走り切った千葉、終盤の猛攻が実らなかった清水

 左斜め45度から決めた神谷のファインゴールで清水が先制に成功したが、千葉も見木のシュートが相手に当たって方向を変え、ゴールをスコア。前半は1ー1で譲らず、迎えた後半開、千葉が開始早々に逆転に成功する。

 47分、後方から送られたボールをボックス内にいた宮本が空中で競り合い、小森についだ。落としを受けた小森は体を倒しながら右足でとらえ、ネットを揺らした。

 千葉が逆転に成功したあと、清水は攻勢を強め、53分の3枚替えを機にチャンスを次々に生み出していった。62分にはオ・セフンの左クロスを岸本がダイレクトで蹴り込んだが、惜しくもGK鈴木の正面を突き、ストップされてしまう。だが、その直後の66分、大きな展開から千葉の守備網を破ることに成功した。

 決めては左サイドの乾から放たれた正確なサイドチェンジのパスだ。岸本がボールを収め、北爪とのワンツーで右サイドを突破。中に折り返すと、ニアでオ・セフンがDFを一人釣って、その後ろに走り込んだベンジャミン・コロリがきっちりネットを揺らした。

 2−2とスコアが振り出しに戻ってから試合はさらに加速していった。清水がボールを積極的に動かしてサイド攻撃からゴールに迫れば、千葉は高い位置でボール回収を成功させてショートカウンターを敢行。勝ち越し点をつかみにいった。

 J2史上最多となる47,628人が詰めかけたスタンドは、ゴール前の攻防が繰り広げられるたびに大歓声に包まれた。

 5分と表示されたアディショナルタイムに突入し、清水にビッグチャンスが訪れる。自陣深い位置カウンターを仕掛けると、敵陣のピッチ中央でパスを受けた清水がためを作ってスルーパス。最高のお膳立てを受けたB・コロリがボックス右からシュートを放った。だが、GKにストップされ、勝ち越しのゴールは生まれず。試合は結局2−2で決着した。

 試合終了のホイッスルがなると、千葉の多くの選手がその場に倒れ込んだ。その光景が、この試合の激しさを物語っていた。酷暑の中で特に終盤は清水の猛攻を体を張って守り切った。一方の清水にしてみれば先制しながら勝ち切れなかったことが悔やまれる。多くのチャンスがありながら勝ち越しゴールを奪えなかった。試合終了後にはスタンドからブーイングも聞こえていた。

 手にした勝ち点は同じだが、ホームゲームであり、試合内容も考えると、千葉にとってよりも清水にとって痛い引き分けだったかもしれない。

「後半のゲームの入りについてこれだけ話をしている中で、毎回毎回後半のゲームの入りのところで失点をしている。自らゲームを難しくしている。それも自分たちでバランスを崩したとか、集中力を欠いたようなイメージがある。ここは大きな処方箋を出さなければいけない。
 もちろん選手はよく走って、よく戦って最後の最後まで勝利の執念を見せたが、もう26節なのでよくやっているとか頑張っているということで終わる世界ではない。プロとして結果を出すこと。それが最後の冷静さなのか、クオリティなのか、アイディアなのか、ちょっとしたタイミングをずらすことなのか。誰か一人のせいではなく全員でしっかりと自分たちに矢印を向けながら(やっていきたい)」

 秋葉忠宏監督は、後半早々の失点を悔やんだ。そして今後に向けて課題をしっかり認識し、改善したいと語った。

 清水はドローに終わったものの、順位は6位をキープ。ただ、自動昇格の権利を得られる2位チーム(=26節終了時点では磐田)とのポイント差は、4から5へとわずかに広がった。

▼出場メンバー
・清水:GK権田修一、DF北爪健吾(82分:井林章)、高橋祐治、鈴木義宜、西澤健太(53分:吉田豊)、MFホナウド、宮本航汰、中山克広(61分:ベンジャミン・コロリ)、乾貴士、神谷優太(53分:岸本武流)、FW北川航也(53分:オ・セフン)

・千葉:GK鈴木椋大、DF髙橋壱晟、鈴木大輔、佐々木翔悟、日高大、MF田中和樹(61分:新明龍太)、田口泰士、見木友哉、高木俊幸(61分:椿直起)、FW風間宏矢(74分:福満隆貴)、小森飛絢(74分:呉屋大翔)


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