上写真=甲府戦に向けてトレーニングする實好礼忠監督(写真◎KYOTO.P.S.)
3連勝達成、4連勝はなるか?
京都は、上昇気流に乗りつつある。ここ3試合を完封で連勝し、6位にまで順位を上げた。5連戦が終わり、またもハードな5連戦が始まる。その幕開けとして、京都同様に調子を上げてきた甲府とアウェーで対戦する。
甲府はここ5試合で、首位のギラヴァンツ北九州とV・ファーレン長崎を連破した。勢いがあるように映るが、實好監督は「調子の良さもあるかもしれないが、地力の高さをすごく感じている」と見方を口にした。
確かに、北九州などを破って3勝1分け1敗とした15節からの5連戦で、甲府が喫した失点はわずかに1点だ。先発のメンバーを入れ替えながらも、堅守というベースにうまく個性を乗せている。長崎を破ったなどした3連勝のゲーム内容を見ると、毎試合得点者が違う。地力を示す。實好監督は「それぞれのポジションに、2人じゃなく3人ずつくらいレベルの高い選手がいる感じがある。すごくハイレベルなチームだと思う」と警戒した。
J2では例年、1巡目の戦いが終わって各チームの特徴を知り、対策が練られる。連戦でチーム力が試される夏場から差が広がることも多い。今年はコロナ禍により日程が大幅に変わっているが、ここに来ての過酷な連戦が力の差をより浮き彫りにするかもしれない。シーズン後半戦に突入していく次の5連戦は、リーグのすう勢に大きく影響する新たな変化の場となるかもしれない。
互いに好調なチーム同士の対戦であるため、甲府戦は大きなポイントとなりそうだが、實好監督は「大きく見ればポイントになる可能性はあるけど、まだまだいろいろな状況が生まれてくる。しっかり戦うことを継続したい」と特別視はしない。「継続で今までも来ている。引き続き一戦一戦を大事に戦って、勝っていきたい」と、これまで通りのスタンスで臨むつもりだ。
ここまでの歩みが、自信を支えている。オフが明けて16日から練習を再開したが、「引き続きアグレッシブな激しいトレーニングもできている。その中でもガチャガチャするだけじゃなく、しっかりした判断の下で良いポジションを取るとか、その辺も整理しながらやっている」。ベースを崩さず、さらにステップアップのための要素の上乗せを続けている。
そのうえで實好監督が感謝するのが、「日々変わらない努力をしてくれている」という選手たちの姿勢だ。「取り組み方を見れば、変える必要がない」と、指揮官のチームづくりを円滑に進める後押しになっている。
最近は、「メリハリを持っての(ボールを奪う)強度は、すごく良くなってきていると思う」とチームを評価。そして甲府についても「組織立った守備で、すごくメリハリがあるチーム」と見ている。現在の自分たちの居場所を知るのに、そして成長を感じ取るのに、これ以上ない相手だろう。