大宮アルディージャのルーキーが、攻撃のアクセントになる。明治安田生命J2リーグ第19節のモンテディオ山形戦で7試合目の出場となった高田颯也。得意のドリブルでゴールを目指して、苦しいチームを刺激する。

上写真=アカデミー出身のルーキーだけに、期待も大きい(写真◎大宮アルディージャ)

空いたところを見つけて

 7月19日のJ2第6節ヴァンフォーレ甲府戦でデビューしたばかりのルーキー、高田颯也が、少しずつ出場の機会を増やしている。

 開幕戦でいきなりベンチ入り、その後はすべて交代出場ではあるものの、第19節のモンテディオ山形戦で7試合目の出場になった。75分にイバに代わってピッチに入り、与えられたのは、3トップのうち、そのイバがプレーしていたセンターフォワード。

「自分の役割としては、相手の背後が空いているということだったので、高木監督からサイドに流れて背後を突くようにと言われていました。サイドでいい形で受けて前を向いたりできたのですが、最後のクロスやシュートの精度をもっと上げないといけないと思います」

 5分に先制しながら54分に1-1に追いつかれたあとでの投入だから、もちろんタスクはゴール。だが、長身で体の強いイバとはタイプが違うだけに、高木監督はその特徴を生かすプレーを促した。

「颯也の良さを出そうということで、押し込まれていたので両サイドバックの裏がかなり空いていて、起点を作ったりチャンスがあれば(ゴールを決める)、という狙いで置きました」

 先に戸島章が交代で入っていて、スタイルとしては身長191センチの戸島が最前線、高田がシャドーというのが定石かもしれないが、山形の状況を見ながらのセンターフォワード起用だ。いまの大宮からすれば、左右に流れるセンターフォワードはいわば「ニュータイプ」。戸島と小島幹敏を従えてのトライアングルに、高田自身は手応えも感じていた。

「幹敏くんはいい形で動いたところにパスをくれますし、戸島くんも足元にしっかり収めてくれるので信じて動きやすいので、やりやすかったですね」

 アディショナルタイムに左で持ち上がってきた河面旺成から、ギャップに入ってから縦に引き出して突進、ここはまさに高木監督の狙い通りだったが、クロスが合わず…。

「前を向いて仕掛けたときに自信はありますが、そこからのラストパスやシュートの精度を上げないと」と自分に合格点をあげることはできなかった。

 その自信の源となるのは、やはりドリブル。

「自分はあまり派手なフェイントがあるタイプではないけれど、緩急をつけたりスペースを見つけて、タイミングをずらしながらそこに入っていくのを意識しています」

 伸びやかなドリブルは、次のアビスパ福岡戦でも生かしたい。5バックで幅を埋めてくる守備も見せる相手に、単独突破は有効だ。

「(5バックだと)中から崩すのはどうしても難しいと思いますけど、いまのフォーメーションであればウイングバックを使ってサイドから攻めながらクロスを上げて、それで相手が外に来れば中が空いてくるので、そこをうまく見つけていきたい」

 自身に託したのは、「出場時間が増えているので、そろそろゴールやアシストをしなければいけない」。つまり、結果だ。スペースを見つけたらドリブル、シュート、そしてゴール。そんなシーンが福岡戦で見られれば最高だ。


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