■2020年9月2日 J2リーグ第16節(観衆1,758人/@フクアリ)
千葉 2-2 福岡
得点:(千)ゲリア、新井一耀
(福)増山朝陽、フアンマ・デルガド
上写真=先制ゴールを決めて絶叫する増山(写真◎J.LEAGUE)
小さなミスをなくし、小さなチャンスを拾う
福岡は試合の開始から意図をもった攻撃を展開した。右サイドハーフとして先発した増山が説明する。
「立ち上がりから相手のサイドバックの裏を狙っていくということをチームとしてやっていて、うまく抜け出して、その流れからのCKでした」
最終ラインから右サイドの深い位置に送られたボールに増山が反応。エリア内に進入してクロスを送ったところを防がれた。そこで得たCKから、先制点は生まれた。
CKは一度、千葉守備陣にクリアされたが、ボックス手前で田邉が競り勝ち、木戸がバックヘッドでつないで最後は増山が相手よりも先にボールに反応してシュートを決めた。
「セカンドボールまでしっかり狙っていたので、オフサイドにならないように、相手のラインと駆け引きしながら待っていたらボールが来た。あとは流し込むだけでした」
福岡は上々の滑り出しの後、次の1点を狙いにいったが、徐々に相手の圧力に屈し、逆転を許すことになった。後半アディショナルタイムにフアンマの得点で何とか追いついたが、勝ち点3を取れるチャンスもあったと、増山は悔やんだ。
「勝ち切れなかったのはすごく残念だと思います。相手のFKは警戒していました。去年も2失点しているから気を付けようと言われていたにもかかわらず、今回も2失点してしまった。最近、セットプレーからの失点が目立つので、そこは改善していかなければいけない。そういうことの積み重ねによって勝ち切れなくなる。僕らは勝ち続けてJ1に行かないといけない。小さなミスをなくして、小さなチャンスを拾って、勝ちにつなげていけたらと思います」
勝負は細部に宿ると言うが、細部を疎かにしていては安定的に勝ち点を稼げないと増山は痛感していた。アウェーで勝ち点1を持ち帰れたことはポジティブな結果だが、このペースで目標が達成できないことも知っている。
そのために喫緊の課題として挙げたのが、前述のセットプレー時の守備の強化と、シュート精度の向上だ。
「チャンスはあったと思います。あとは最後のシュートのクオリティーを上げること。みんな慌てて打っているシーンもあったと思うから。その部分を修正して、まずはシュートをしっかり枠に飛ばし、こぼれ球にしっかり詰めるということを、次の試合から、しっかりやっていかないといけない」
当たり前のことを、細部にもこだわって当たり前に達成して初めて目標に近づくことができる。目標とはすなわち、J1昇格。増山はチームで課題を共有し、改善に取り組み、ここから上を目指すことを誓った。