Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日から、J2とJ3は6月27日からリーグが再開(開幕)する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー、「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE -」をテーマに話を聞いた。リーグ再開に向けて、愛媛FCを率いる川井健太監督は「Jリーグの素晴らしさをもう一度認識してもらいたい」と語った。

上写真=就任3年目となる川井監督。その手腕に注目だ(写真◎J.LEAGUE)

「我々の存在意義は何なのか」

――新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛媛FCは4月6日からチーム活動を休止しました。練習が再開するまで、川井監督は自宅でどのように過ごしていましたか。

川井 選手たちは在宅でフィジカルコーチの指導の下、リモートでトレーニングを行ない、僕自身は試合の映像を見て分析などをしていました。ただ、それをやめた時期もありました。

――その理由は?

川井 サッカーに関わりすぎると、やりたくてしょうがなくなるので、これはちょっと身がもたないなと。再開がいつになるか分からなかったので、ある時期はサッカーから離れるというか、あまり関わらないようにしました。

――それはいつ頃のことですか。

川井 ゴールデンウィークの前、4月末だったと思います。

――緊急事態宣言が延長されるかもしれないと言われていた時期ですね(その後、5月4日に延長が決定)。サッカーから離れようと思ったのは初めてですか。

川井 こんなにサッカーをしなかった、関わらなかったのは初めてですね。指導者になってからもそうです。そこで気づかされたのが、サッカーがなくても世の中が動いているということでした。だからこそ、我々の存在意義は何なのか、ということをすごく考えさせられました。

――非常に大きな問いですね。結論は出ましたか。

川井 サッカーがなくても世の中は動いていくし、直接的に命に関わることもありません。じゃあ我々の存在意義は何なのかというと、現段階での僕の結論としては、サッカーに関わる人、特に愛媛FCに関わる人、そういう人たちの人生をより豊かにできるものだと、そう定義しました。試合に勝つことで喜ばせることや、“サッカーっていいよね”と思ってもらうことが大事なんだと。

――サッカーとの向き合い方はコロナ以前/以降で変わりましたか。

川井 いえ、根本的には変わっていないと思います。サッカーの本質、スポーツの本質を再認識したということです。我々は愛媛県にあるチームなので、まずは愛媛県の方々にしっかりと楽しんでもらいたいですし、もしくはサッカーを知らなかった人たちに新しい楽しみを覚えてもらいたい、そういう思いです。

――新型コロナウイルスによる中断を経て、再開後はクラブとしてどういう方向に進んでいきたいと考えていますか。

川井 一言で言うのは難しいのですが、我々は魅力を発信できるクラブになりたいと考えています。愛媛県の文化も大切にしながら、サッカーの魅力を提供していきたい。語弊があるかもしれませんが、僕はクラブを観光地のようものだと捉えているんです。旅行者は、魅力を感じるからそこに行きたいと思うわけですよね。そうやって県外の人たちに魅力を発信する必要もあると思います。ただ、まずはやっぱり愛媛県が大事です。愛媛県の方々に認められていないのに「ここは観光地です」と言っても、それはダメなので。


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