上写真=京都戦でも前線で存在感を放ったフアンマ(写真◎J.LEAGUE)
■2019年6月8日 J2リーグ第17節
大宮 3-1 京都
得点者:(大)奥抜侃志、河面旺成、フアンマ (京)仙頭啓矢
「疲れてきた中で、どれだけ力を出せるか」
大宮の最前線に君臨するスペイン人FWは、第17節まで全試合出場中。ここまで7ゴールを挙げるなど、加入1年目ですでに前線の核となっている。第13節山口戦(△2-2)から4試合連続で勝ち切れない試合が続いていただけに、京都戦は「僕にとっても、チームにとっても、重要な勝利となった」と振り返る。
「4試合引き分けが続いていて、今日はどうしても勝ちたかったし、チームとしてもすごく気持ちが入ったゲームだった。京都のような素晴らしいサッカーをするチームを相手に最高の形で勝てたので、本当に大きな勝利になったと思います」
2月に開幕したシーズンはすでに3カ月が経過。6月に入り、ここからは高温多湿の中での“夏場のゲーム”を強いられる。9月末まで続く日本独特の気候は、プレーする選手にとっても厄介だろう。
そんな時期を乗り切って、2シーズン前に長崎でJ1昇格を果たしたフアンマ。実際に2017シーズンの長崎の成績は、24勝8分け10敗(勝率約57パーセント)。そのうち6月から9月までの19試合は11勝3分け5敗(勝率約58パーセント)だった。つまり、夏場に調子を落とさなかったことが、J1昇格につながった要因の一つとも言えるだろう。フアンマはそれを経験しているからこそ、夏場に結果を残すことの重要性を語る。
「夏場の戦いでは、とにかく失点をしないことが大事ですね。それが、この夏場を乗り越えるための大きなポイントだと思います。そのためにはまず、試合の前半を無失点で抑えることが重要です。また、後半に両チームが疲れてきた中で、どれだけ力を出せるかがポイントになってくる。だから、(夏場は)得点を取って守り切る戦いができれば、勝利に近づくはずです」
2017シーズンの長崎は6月から9月までの11勝のうち、6勝は完封劇だった。逆に、敗れた5試合はいずれも複数失点を喫している。フアンマが強調するように、失点をしないことが勝ち点を積み上げるうえで重要になると言えるだろう。
そして、フアンマはチームの戦い方や自身の役割についても次のように話す。
「今日の試合(京都戦)のように、ボールを奪ってすぐに前の選手に当てればチャンスを作れると思う。(後ろの選手は)いかに前線を有効に使うか。前の選手はいかに動いて、ボールをキープし、味方のサポートを待てるか。僕自身はフォワードの役割を全うすることが重要だと思っています」
3シーズンぶりのJ1を目指す大宮にとって、“昇格”を経験している助っ人の存在は心強い。
取材◎小林康幸