9月13日の明治安田J1リーグ第7節で、ファジアーノ岡山が浦和レッズを下して3連勝だ。先制しながら追いつかれ、なおも押し込まれる苦しい展開にも焦れずに押し返した結果だが、そこには攻守をリフレッシュさせた交代策が一つのカギになった。

上写真=埼玉スタジアムで勝利を収め、選手たちがサポーターと記念撮影(写真◎J.LEAGUE)

■2026年9月13日 明治安田J1第7節(観衆30,767人@埼玉)
浦和 1-2 岡山
得点:(浦)南野遥海
   (岡)大森 博、立田悠悟

画像: ■2026年9月13日 明治安田J1第7節(観衆30,767人@埼玉) 浦和 1-2 岡山 得点:(浦)南野遥海 (岡)大森 博、立田悠悟

「ちょっと合わないところが」

 ファジアーノ岡山には、見極めなければならないことがあった。

 3連勝と好調の浦和レッズは前節、突然の3バックを採用して鹿島アントラーズを1-0で下している。またも3バックを採用してくるのか、それとも4バックベースに戻してくるのか。そのための準備は大きなポイントだった。

 答えは「3バックだが、3バックではない」といったところだろうか。

「相手のメンバー表を見たときに、いない選手が少しいたり、どういうシステムかなと思って、ある程度、基礎配置はマッチアップする形だったんだけど、4バックなのか3バックなのか、僕たちがちょっと合わないところがあって」

 木山隆之監督はそんな違和感を覚えていた。

 浦和はダニーロ・ボザが15分で負傷交代を余儀なくされたが、その後も最終ラインの基本形は右から宮本優太、根本健太、工藤孝太の3バックで、守備の局面では右の水沼宏太、左の長沼洋一というウイングバックを含めた5枚で構えた。

 18分に大森博が先制しながらも、27分に追いつかれる流れの中で、木山監督が合わなかったと感じた理由の一つは、浦和がビルドアップに入るときに加えた立ち位置の工夫だろう。3バックの右の宮本が1列上がって右のハーフスペース、岡山から見れば左シャドーの江坂任の背中側、左ボランチの宮本英治の目の前に出てきて、フリーでポイントを作られてそのズレが連鎖した。

 木山監督はハーフタイム、ここに修正を加えた。

「相手の初期配置のところで分からない部分があったので、ピッチの中で伝えてはいたんですけど、あまりプレッシャーがかからなかった。特に自分たちが得点を取ったあと、気持ちが下がったというよりもうまくプレッシャーをかけられなくて、簡単にハーフウェーラインを越えられて、ゴールに向かうプレーがたくさん出てきた。そこはなんとかしなければと思って、もう少し前から圧力をかけたいと話しました」

 ボランチの藤田息吹も、その対応に追われた。

「(相手が3バックでも4バックでも)どちらのスタイルでも、割と自分たちはアジャストしていく戦い方ができるので大丈夫でしたけど、それにしても前半は特に押し込まれてしまったかなと」

 では,どのような「宮本対策」が組み込まれたのか。藤田が続けてその一端に触れる。

「前半はうまくそこ(宮本)を捕まえきれずに、かなり前進されてしまったので、後半は自分たちの左シャドーの選手がしっかりそこを見て強くプレッシングに出て制限をかけて、そこから守備を始めようという指示がハーフタイムにありました、そこがうまくいったんです」

 その守備のポイントになっていたシャドーを2枚を同時に入れ替えたのは、56分と早い時間だ。右にナ・サンホ、左に神谷優太。木山監督の意図はもちろん明確だった。

「自分たちにポジショニングやアクティブさが足りなくて、相手のボールを動かすスピードやうまさのほうがちょっと上回って、なかなか厳しいところもあるなと思って、もう少しアクティブにやるために変えていこうと思いました」

 これが功を奏した。64分にはルカオに代わってレオ・ガウショが入り、これで前線3枚がリフレッシュされた。神谷が相手の間で受けて、ナ・サンホの機動力からレオ・ガウショにシュートを打たせるなど、木山監督の言う「アクティブ」そのもののプレーで勢いを取り戻した。まさに「再起動」だ。

 鋭さを増したアタックも、相手の工夫を消し込んだ守備の強度の高さを取り戻したからこそ。再び藤田が明かす。

「(交代で一気に押し込んだのは)ものすごく感じましたし、自分たちはどちらかというとプレッシングしてボールを引っかけて攻撃したいチームなので、そこの整理がハーフタイムからうまくできました」

 先制したあとにずっと押し込まれながら、ハーフタイムの指示と交代策で相手の強みを消してていねいに戦った。そして、最後の最後、90+11分に立田悠悟のセンタリングがそのままゴールに飛び込む決勝点。これをただの幸運と片付けるのは簡単だが、体と心を使って表現した粘り強さという岡山の強みが、最大限に発揮された結果だっただろう。


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