6月10日の北中米ワールドカップアジア最終予選の最終戦で、日本はインドネシアに6-0で圧勝した。圧巻の戦いぶりはもちろんだが、「記録」にも注目が集まった。佐藤龍之介が69分にピッチに登場し、ワールドカップ最終予選の最年少出場記録を更新した。
上写真=佐藤龍之介は69分に登場して右サイドを駆け抜けた(写真◎毛受亮介)
■2025年6月10日 アジア最終予選10節(観衆33,661人/@吹田S)
日本 6-0 インドネシア
得点:(日)鎌田大地2、久保建英、森下龍矢、町野修斗、細谷真大
「もっともっと基準を高めて」
69分、その時がやってきた。久保建英に代わってピッチに入ったのは、背番号21の佐藤龍之介。FC東京の先輩に当たる久保がにこやかに手を合わせたのを合図に、ピッチに飛び出していった。
「最高の舞台だったので、点を取りたかった思いがあります」
18歳237日での出場は、香川真司(現セレッソ大阪)が持つ19歳212日を上回り、ワールドカップ最終予選最年少出場になった。
「日本代表が素晴らしい試合を続けてきたおかげでチャンスが巡ってきたと思うので、勘違いせずにやっていきたい」
年代別代表で中心選手として成長してきて日の丸の重みも知っているから、喜ばしいフル代表デビューをとても謙虚な姿勢で振り返った。5-0という大差がついた状況だったから、ピッチに入るときに笑顔も見えたが、与えられたのはファジアーノ岡山でプレーするのと同じ右のウイングバック。
74分に相手の裏を取って佐野海舟からのパスで抜け出してワンタッチで折り返し、クリアされたボールを自ら拾って今度は自ら突破してクロスを送るなど、短い時間でも積極性を見せた。
「まだまだうまくならなければいけないなと強く感じたので、もっともっと基準を高めてやっていきたい」
岡山で開眼した右ウイングバックだけではなく、ボランチでもサイドハーフでもトップ下でもプレーできる万能性が何より魅力的。明るい未来の第一歩を、大阪の地で力強く踏みしめた。