上写真=野澤零温が最高の笑顔。苦しみを乗り越えて決めたゴールだ(写真◎J.LEAGUE)
■2026年5月2日 J1百年構想リーグ第14節(観衆:33,991人@味スタ)
FC東京 2-0 川崎F
得点:(F)佐藤恵允、野澤零温
「みんなに包まれている感じ」
「取っちゃったから。でも、テルくんは優しいからすぐに(抱きつきに)来てくれて」
チームを勝利へと導く追加点を決めたのは、野澤零温!
57分、佐藤龍之介がボールを持ちながら最終ラインに下がってフリーになると、ハーフウェーラインを超える鋭い縦パスを差し込んだ。受けた佐藤恵允が持ち運んで右へ送り、仲川輝人が切り込んでいく。しかしここで、DFともつれてボールがこぼれた。仲川が必死にリカバーして左足でシュート…のその直前に、野澤が右足でたたいてずばりと突き刺した。
仲川のフィニッシュを奪うような格好になったから、すぐに両手を合わせて「謝罪」するポーズを向ける野澤に、仲川は笑顔で飛びついてきた。
「リキさん(松橋力蔵監督)に中に入っていけと言われて中に入ったら決まって、ほらね、って言われました。テルくん(仲川)もたぶん自分で(足を)振ろうとしてたと思うんですけど、自分があそこの距離感にいたからこそのゴールだし、みんながあそこまでつないでくれたからのゴール。決して自分だけのゴールではありません。ただ、一つ数字を出すことができて、チームの勝利に貢献できたのはすごいうれしいことだと思います」
これがホーム・味の素スタジアムでの初ゴールだ。
「そっか。この前は国立でしたもんね。そのときとは全然違いますね。本当に東京のみんなに包まれている感じで、すごくうれしかったですし、安心感がありました」
野澤がゴールという結果を出したことには、大きな意味がある。一つは、鹿島アントラーズを猛追するチームの好調の象徴として。
「僕みたいな選手がもっともっと出てこないといけないと思います。連戦なのでチームの総力が試されますし、僕みたいな選手がもっともっとチームのプラスアルファになって、底上げしていかなければいけない」
野澤が先発したのは今季まだ2度目で、ゴールも初。チャンスが巡ってきたときに結果を出す「ラッキーボーイ」的な存在が優勝するチームに不可欠であることを、強く意識している。自分だけではなく、出場機会が少ない他の選手もそうあるべきなのだ、と。
もう一つは、自分との戦いだ。前回先発した東京ヴェルディとの東京ダービーで絶好機に決められず、0-0からPK戦で敗れ、厳しい目が向けられた。
苦しかった。でも、そこからプロとしてしっかりとリカバーしていくことを、応援を続けてくれるサポーターに示したかった。
「もちろんヴェルディ戦のあと、とことん落ち込みましたし、反省もしました。ただ、引きずっちゃう選手がいると、チームの足かせになってしまう可能性もある。いま、いい流れできているからこそ、自分がしっかり立て直してチーム力を底上げしないといけないと思っていたので、頭を切り替えられたかと思います。正直、人間なので失敗はあると思いますし、全部が全部うまくいかないし、いいときもあるし、悪いときもある。その波をどれだけ小さくできるかが大事だと思うので、こういうパフォーマンスをもっともっと上げられるようにしていきたいです」
ゴールで勝利をもたらしてチームの総力の一端となれたこと、そして何より、心を強くして戻ってきたこと。それがうれしかった。
「気持ちよかったですね。そして、すごくホッとしています。応援し続けてくれる人がほとんどの中で、結果がやっぱり必要だった。まず一つ、期待に応えることができてよかったですし、もっともっと数字を出して、チームのために走り続けて、結果を出し続けて、必ず優勝したいなと思います」
