今年、クラブ創設35周年を迎えるガンバ大阪のキャプテンに就任したのがDFの中谷進之介だ。イェンス・ヴィッシング監督が新たに就任し、J1百年構想リーグとACL2を戦うチームの現在と未来について話を聞いた。

仲間によるキャプテン・中谷評とは?

画像: G大阪はJ1百年構想リーグ・WESTの9節終了時点で2位につける(写真◎J.LEAGUE)

G大阪はJ1百年構想リーグ・WESTの9節終了時点で2位につける(写真◎J.LEAGUE)

 それは現在参戦中のACL2をたくましく勝ち抜くためにも、だ。

 今シーズンに入り、同ラウンド16・浦項戦、準々決勝・ラーチャブリー戦を制したガンバは、4月8日に準決勝・バンコク・ユナイテッド戦の1stレグを、翌週15日に2ndレグを戦う。直近のラーチャブリー戦と同様、厳しい戦いになるのは必至で、だからこそ中谷が挙げた課題を含め、いかにチームとして共通理解を持って戦い抜けるかが決勝進出に向けたカギになる。

「浦項戦の第2戦は前半こそ完璧な試合ができたけど、61分に失点して以降は、なかなかギアを上げられなかったというか。いい試合ができていた中で3点目が獲れないと、終盤は苦戦するよね、っていう試合になった。それはラーチャブリー戦も同じで、連戦や暑さの影響もあったけど、いいリズムで試合を進めている時間帯に取りきれなくて、次第に疲弊して、攻撃のバリエーションも見いだせなくなり、自分たちの首を絞めるみたいなところは課題として残った。しかも、ACL2ではどうにもコントロールできない特有の空気もあるし、特にアウェー戦は何が起きるかわからないので。次のバンコク・ユナイテッド戦は第1戦目がホームだと考えても、まずは初戦でしっかり点差をつけてアドバンテージを持って2戦目に繋げたい。また、アジアの戦いでは1点を取る、取られることで、相手の勢いの出方が大きく変わってくると考えても、後ろはとにかくゼロで進めることを意識しながら試合を進めようと思います」

 もちろん、その結果の先には『タイトル』も見据えているが「今はとにかく準決勝を勝ち抜くこと」と中谷。チームとしても個人としても、目の前の試合を積み重ねていくことに気持ちを集中させている。

「イェンスは思ったことは全部伝えるし、オブラートに包むことがあまりない。基準もはっきりしていますしね。実際、これまでも、若い選手でも良ければ使う、いい選手でも基準を満たしてないなら使わない、ということが明確だった分、選手全員がやる気に満ちている。普段の練習から勝負にもすごくこだわる監督なので、自然と活気も生まれますしね。そういう意味ではすごくいい雰囲気で進んできたし、11連戦の初戦となった直近の京都サンガF.C.戦(J1百年構想リーグ第9節)も2週間のインターバルで取り組んできたことをしっかりと表現しながら、2-0で勝ち切れたので。特に後半、流れが相手に渡りかけたところで、亮太郎(食野)が追加点を奪ってくれたり、途中から出た遥海(南野)や秋くん(倉田)、徳真(鈴木)らがゲームを落ち着かせてくれたのはチームとしての成長を感じた部分でした。そこはバンコク・ユナイテッド戦にも繋げながら、全員の『勝ちたい! だから、走ろうぜ、戦おうぜ!』みたいなマインドをまっすぐにぶつけて、とにかくみんなで勝ちにいきます」

 ちなみに、こうした大一番を前に、キャプテンとしての言葉がけを考えているのかと尋ねたところ、「いや、考えてない! これまでの試合も僕が言わなくても亮(初瀬)とか諒也がしっかり盛り上げてくれていたから! 僕は『いくぞ!』くらいしか言ってない」と中谷。実際、チームメイトに中谷の『キャプテン評』を尋ねても、「去年までと全く変わってない」が大方の意見だ。

「いつだって声を出してチームを盛り上げてくれるし、締めてくれるけど、去年もそうだったからそこまで今年に入ってからの新たな変化は感じません。キャプテンの言葉が響いたな…みたいな瞬間も、今のところそんなになくて、むしろ諒也(山下)の方が意外といいことを言ったりしています(笑)」(安部柊斗)

「試合では、そのプレーで、背中で僕らを導いてくれますけど、僕らへの振る舞いは全然変わってないです。ただ、チームを代表して監督に僕らの意見を伝えてくれるし、僕らもシンくんには気軽に『これ、聞いてくださいよ』って言いやすいのはいいな、と(笑)。若手もシンくんには結構、意見していますしね。そういう風通しの良さと、いい意味でキャプテンぽくないのがシンくんの持ち味です」(山下)

「キャプテンになっても何も変わらず、これまで通りチームを引っ張ってくれるし、プレーでも見せてくれるし、しんどい時ほど戦ってくれている。その姿を見て、俺らも、やらなあかんって気持ちにさせられるという意味では背中で語るキャプテンなのかなと。実際、みんなの前ではいつも『みんなでやろうよ!』ってことしか言わないのに(笑)、それだけでみんながなぜか『そうや、やろうぜ!』ってなるのもシンくんの凄さ」(初瀬)

 だが、彼らの言葉にもある通り、変わっていない=キャプテンとしての仕事をしていないということでは決してない。むしろ、今年からキャプテンに就任していることに違和感を感じないほど、これまで同様にチームの先頭に立ち、リーダーシップを発揮しているということだ。しかも、自然と仲間を盛り立て、元気にするような、明るいキャラクターもあってだろう。彼の周りに自然と仲間が集い、笑いが起き、結束を強められているのも、中谷だからこそのキャプテンシーだと言っていい。

 そして、それもまた今シーズン、ガンバに備わった新たな強さであることを記しておく。

取材・文◎高村美砂[フリーランスライター]

PROFILE◎なかたに・しんのすけ/1996年3月24日生まれ、千葉県出身。182cm77kg。柏U-12-柏U-15-柏U-18-柏14-名古屋18途--G大阪24~


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