上写真=高い強度と素早い切り替えの連続が求められる厳しいトレーニングを精力的にこなした高嶺朋樹(写真◎佐藤景)
やってきた者としての仕事だと思う
高嶺は、コンサドーレ札幌のアカデミーから筑波大を経て、札幌で2020年に加入。前年に特別指定選手としてプロのピッチに立っていたが、当時、チームを率いていたのが他ならぬミシャ監督だった。23年に柏レイソルに移籍するまで3シーズンを過ごした。指揮官とは、言わば勝手知ったる間柄だ。
「自分がやってきた、慣れ親しんだサッカーですし、チームがスムーズに進むようにサポートするのは、(ミシャのサッカーを)やってきた者としての仕事だと思う。その中でしっかりポジション争いに勝って、試合に出場できるようにしたいと思います」
取材に訪れた16日はタッチ制限を設けた7対7を繰り返し、後方からのビルドアップを磨いた。ミシャがかつて率いたチームでも見られたメニューだが、現在のトレーニング方法について尋ねると、高嶺はこう説明した。
「僕が札幌に入団したときはミシャが就任して3シーズン目だったので、チームは出来上がっている状態でした。でも今は、やっぱりゼロからイチを作っていく作業なので、僕もやっていなかったトレーニングももちろんありますし、まずはベースのところをやってから、また色々なことをやっていくのかなと思います」
ボランチとしての能力の高さは言うまでもないが、トレーニングマッチでは左のストッパーとしてプレーするケースも見られた。札幌時代も福森晃斗の不在に同ポジションでプレーし、高いパフォーマンスを発揮したが、名古屋ではどこが主戦場となるのか。
「左でやる可能性もなくはないと思います。もちろん自分はボランチでも勝負したいですが、(稲垣)祥くんとかシイ(椎橋慧也)くんたちもいますし、試合中に入れ替わることもあるでしょうし。後ろからビルドアップをサポートしたり、自分が前に行ったり、そういう中でも攻撃面で特長を出せると思います。ただ、左の後ろだとシュート場面そのものは限られるとは思いますけど」
左後方から攻撃をクリエイトすることも、正確な左足のキックで一気にサイドを変えることも高嶺の持ち味だが、昨季のJ2で見せていた目の覚めるようなミドルシュートが見られないのはあまりに惜しい。試合状況次第で稲垣とともに中盤に長距離砲を二つ並べるのは、相手にとって脅威だろう。高嶺がどのポジションで起用されるかは新チームの注目点の一つになりそうだ。
「自分に対しての自信は元々ありましたけど、昨年J2を戦う中でもJ1でもできると、自分に対する期待感が大きくなっていきました。J1でもできるという思いもあって、名古屋への移籍を決断しました。もちろん前線も後ろも、どのポジションも3人はいるくらいの層があるし、ここからし烈なポジション争いになると思います。誰が信頼を勝ち取っていくのか。途中から試合に出る選手の役割もすごく重要になるし、その中でも、自分はとにかくポジション争いに勝ってチームを勝利に導いていけるような選手になりたいと思っています」
ミシャグランパスに勝利をもたらす選手になるーー。
高嶺は主軸を担う覚悟を持って、日々のトレーニングに打ち込んでいる。
取材◎佐藤景
