上写真＝橋本健人が左から送ったクロスが多くのチャンスを生んだ（写真◎J.LEAGUE）
■2025年10月18日 J1第34節（観衆：17,497人@味スタ）
東京V 1-0 新潟
得点：（東）谷口栄斗
「入るまでやり続ける」
橋本健人が繰り出す左足からのクロスが、何度も相手を脅かし、明白なチャンスになった。しかし、ついにゴールにはつながらなかった。
「もどかしさはあります」
橋本は認めるが、そのことでの負の感情はない。
「最終的に味方を信じるしかないし、入るときは入るし、入らないときは入らない。そういうものです。そこは自分がコントロールできるものではないのは、今日に限った話ではないですし。だからそこはもう受け入れていて、本当に入るまでやり続けるというところは自分の中で持っています。入れろよ、っていうベクトルになる気持ちがあったことはあるんですけど、ゴールを入れるのが一番難しいスポーツじゃないですか。だから、入るまでやると自分の中で決めています」
36分に先制されたが、後半は何度も押し込んだ。橋本のキックが攻撃を牽引した。高いボールも低いボールも、ストレートボールもカーブボールも、手前へも奥へも、あらゆる球種を蹴り分けた。その手数の多さが「やり続ける」という決意を示していた。
キックのフィーリングも良かった。
「ずっといいですね。もちろん悪いときもありますけど、このスタジアムの芝生はすごく蹴りやすかった。クロスは自分の武器。練習から見せていることもあって、仲間の信頼も得ていると思うので、みんながポイントに信じて入ってくれる回数が多いので、チャンスが多くなっているんだと思います」
残り4試合でも蹴り続けるしかない。ヴィッセル神戸を、湘南ベルマーレを、柏レイソルを、そしてFC東京を倒すために。
「毎週、応援しに来てくれてるサポーターに示しがつかない。このまま勝てずにシーズンが終わるのはさすがに一選手として示しがつかない、という、そういう気持ちです」
これで15試合、勝利がない。そして、10月26日日曜日に神戸戦を迎えるその前日、25日土曜日に横浜F・マリノスがサンフレッチェ広島から勝ち点1以上を手にすると、その時点で降格が決まることになる。
「他会場は気にしていません。15試合も勝ててないという、自分たちのことがあるわけですから、まず自分たちが勝たないと。自分たちがそういうこと（勝てていないこと）を繰り返しているからいまこの状態にいるので、まずは目の前の試合に勝つことを目指します」
次こそは、そのクロスからゴールが生まれることを、そして勝利を手にすることを。
