9月20日の明治安田J1リーグ第30節で、横浜FCとアルビレックス新潟が対戦した。19位と20位と沈むチーム同士の激突はどちらもゴールを奪えないもどかしい時間が続いたが、86分にアダイウトンがスーパーミドルを突き刺して、横浜FCが貴重な勝ち点3をもぎ取った。
上写真＝アダイウトンの強烈なシュートが決まり、横浜FCが勝ちきった（写真◎J.LEAGUE）
■2025年9月20日 J1第30節（観衆：9,462人@ニッパツ）
横浜FC 1-0 新潟
得点：（横）アダイウトン
「選手が意図を理解してくれた」
何かが起きそうで、起きない。
横浜FCは最前線の櫻川ソロモンとセカンドストライカーのルキアン、ジョアン・パウロの3人が走る裏のスペースへ、ミドルパスを、ロングパスを、クロスを次々と送り込んでいく。そこから櫻川が3分、11分、16分とチャンスを迎えるものの、決めきれない。
前半最大のチャンスは35分、右からのクロスをファーから細井響がヘッドで折り返し、ペナルティーエリアの中でルキアン、櫻川とつながって最後はジョアン・パウロが至近距離から狙うが、ジェイソン・ゲリアにブロックされた。
アルビレックス新潟は5バックで構える相手の守備に苦しんだ。危険なエリアに進入する回数は少なく、目立ったのはショートカウンターを仕掛けた9分の谷口海斗のミドルシュートぐらいで、なかなか明確なチャンスを作れないままだった。
そんな悩ましい新潟が後半にビッグチャンス。58分に左深くに橋本健人が入り、低い折り返しをマイナスへ。ブーダがダイレクトで狙ったが、GKヤクブ・スウォビィクの好反応にストップされた。
横浜FCも77分、左サイドで窪田稜が強奪してニアの櫻川へ送り込むが、GK田代琉我がストップ。80分にも山田康太がヘッドで狙ったが枠を外した。
だが、やはり「何か」は起こるのだ。
横浜FCは86分、右サイドを山根永遠が突き進み、一度戻りながらサポートに入ったアダイウトンへ。すると、20メートルほどの距離から左足を振り抜いてニア角を撃ち抜くスーパーショットで、ついに先制した。
これが決勝点となって、横浜FCが1-0でサバイバルマッチに勝利。7勝目を手にして順位を一つ上げ、18位とした。残留圏内まで1ポイント差まで肉薄してきた。三浦文丈監督は「何回でもシュートを打つ。体を投げ出して守る。選手が意図を理解してくれて、アダイウトンのスーパーシュートで勝つことができてよかった」と充実の表情だった。
一方の新潟はこれで11試合、勝利がない。試合後にはサポーターが不満を示し、選手たちとゴール裏で話し合いになった。入江徹監督は「関係性や質の部分、コンビネーションでズレがあった」と攻守に緩みがあったことを認めるほかなかった。
