上写真=90+7分、湘南は鈴木章斗がヘッドで送り込み、最後の最後に同点に!(写真◎J.LEAGUE)
■2025年8月16日 J1第26節(観衆:12,608人@レモンS)
湘南 2-2 FC東京
得点:(湘)鈴木雄斗、鈴木章斗
(F)長倉幹樹、アレクサンダー・ショルツ

「勝ち点1を次につなげたい」と異口同音
17位の湘南ベルマーレと15位のFC東京。下位同士の直接対決は、残留に向けて大きな意味を持つ。
FC東京は前節の鹿島アントラーズ戦で押し込みながらも浮き彫りになった課題が、ゴール前の質。松橋力蔵監督も「魂」という言葉を使って強調したが、それをさっそく表現したのが、アルビレックス新潟時代からの「愛弟子」とも言える長倉幹樹だ。
開始早々の6分、FKのこぼれ球を拾ったバングーナガンデ佳史扶が左からクロス、エンリケ・トレヴィザンがヘッドで落とすと、長倉が右足でとらえたボレーシュートがゴールに飛び込んだ。
逆襲したい湘南ベルマーレは、ミスに泣いた。ボールを奪っても前に送り出すパスがつながらず、相手の足元に収まるシーンがどれだけあったか。右サイドでウイングバックの鈴木雄斗とシャドーの鈴木章斗のコンビで深くまで入ったシーンが何度かあったが、ゴールを脅かすところまではいかなかった。
後半も開始早々に動いた。選手交代で左MFに回っていた野澤零温が、ペナルティーエリア内でボールを受けたところで倒されてPKを獲得。これをアレクサンダー・ショルツがていねいに左に沈めて、52分にリードを2点に広げた。
攻めるしかない湘南にようやく歓喜が広がったのが66分だ。左から松本大弥が強烈なミドルシュート、GKキム・スンギュに弾かれたが、こぼれ球を逆サイドから詰めていた鈴木雄が蹴り込んで、66分に1点差に迫った。
こうなると勢いを得るのは湘南の方。64分に入っていた石橋瀬凪のドリブルや小野瀬康介のミドルシュートなどでチャンスを作った。しかし、決まらない。
FC東京には疲労の色が濃く、87分に岡哲平を投入して5バックに変えてサイドを埋めることで対抗した。それでも湘南の攻撃を受け続けると、耐えきれなかった。
90+7分、湘南は左からのCKを小野瀬が中央へ。鈴木章がヘッドでゴール右に送り込み、土壇場で劇的な一撃を見舞って、ついに同点に追いついた。
残留争いはお互いに譲らずドロー。「勝ち点1を次につなげたい」とは追いつかれたFC東京の松橋力蔵監督。追いついた山口智監督もまったく同じ言葉で振り返りながら、「秩序を持って責任を持ってプレーしてくれたことが最後のゴールにつながった」と、課題が多いながらも実直にゴールを目指したことを称えた。
