上写真=グスタフソンが2発の活躍! 浦和が見事に逆転勝利をもぎ取った(写真◎J.LEAGUE)
■2025年6月1日 J1第19節(観衆:39,995人@埼玉)
浦和 2-1 横浜FC
得点:(浦)サミュエル・グスタフソン2
(横)ルキアン

カウンターとセットプレー
見事な逆転勝利は、クラブワールドカップへの景気づけにちょうどいい。
最初の45分はほぼハーフコートゲーム。浦和レッズがキックオフからつないでいきなりCKを奪い、攻撃の意欲は鮮明だった。その後も素早くボールを動かし、カウンタープレスもはまってほとんど相手陣内でプレーした。横浜FCの四方田修平監督が「最初の30分ぐらいは想定以上に押し込まれた」と驚くほどだった。
渡邊凌磨が左で受けてニアに送り、荻原拓也が突っ込んだ7分のシーンや、右でサミュエル・グスタフソンの巧みなヒールから金子拓郎が狙った17分など、チャンスを作った。浦和のマチェイ・スコルジャ監督の表現を借りれば「ファイナルサードでスピードアップすれば得点は時間の問題だという展開だった」のだが、先にゴールネットを揺らしたのが劣勢だった横浜FCのほうだというのが、いかにもフットボールの不思議で面白いところでもある。
43分、セカンドボールを拾った駒井善成がユーリ・ララへ。縦パスを入れて鈴木武蔵をポストにし、落としたボールを駒井が左へ。するとルキアンが余裕を持ってカットインから右足を振って、きれいにゴール右へと送り込んだ。この日は駒井はシャドーに入り、山田康太がボランチ。この並びが功を奏した形だ。
後半に入っても浦和優勢の流れは変わらなかった。そして今度はその勢いの通りのゴールが生まれる。
53分、右サイドで金子が右外のスペースに流し込むカウンター、石原広教が長い距離を走って受けて中央へ、グスタフソンが滑り込みながら蹴り込んだボールがGK市川暉記の正面に飛んだものの、こぼれてゴールに転がり込んだ。5バック気味に立たれてスペースを消され、押し込みながらゴールが生まれずに苦しんだ浦和だが、ならばカウンターでとばかりに仕留めてみせた。まさにスコルジャ監督の言う「スピードアップ」が形になった。
ここからともに攻撃に特徴のある選手を交代で投入してリフレッシュ、攻め合いが続いた。それを実らせたのは、ホームチームの方だった。83分、渡邊の左からのCKがファーに流れ、チアゴ・サンタナがシュート、右ポストに当たったこぼれ球をグスタフソンが蹴り込んで、ついに逆転してみせた。
ここから最後まで集中力を切らさずに守りきった浦和が、見事に逆転勝利をもぎ取った。キャプテンの関根貴大は「浦和のプライドを持って世界と戦ってきたいと思います」と堂々と宣言した。